今回は、「脂質」についてまとめています。
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p.1 「脂質」には、トリアシルグリセロール、コレステロール、リン脂質とスフィンゴ脂質があります。トリアシルグリセロールは、グリセロール(グリセリン)と脂肪酸が反応して生成されます。まさに中性脂肪です。コレステロールは体の中で、1.2g/日生成していますが、そのうち食品から直接摂取しているのは平均約0.4g/日と少ないですね。スフィンゴ脂質は、あまり耳にしたことがありませんが、神経組織に多く含まれています。スフィンゴジンと脂肪酸の反応生成物です。リン脂質は、細胞膜の主要な構成成分で、卵に含有しているレシチン(ホスファチジルコリンあるいはフォスファチジルコリン)は有名です。脂肪酸+グリセリン+リン酸+コリンから成り立っています。脂肪酸は炭素が多く疎水性、リン酸の部分は親水性の性質なので、一種の界面活性剤です。油らにも水にも溶けやすい性質があるということですね。
p.2 脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。脂肪酸は、炭素数が13個以上になると常温で固体になりますが、不飽和脂肪酸は常温で液体です。オリーブに含まれるオレイン酸は融点が13.4℃ですので、冷蔵庫で一部固体になっているかもしれません。他の不飽和脂肪酸は、融点が氷点以下ですので、通常液体です。オメガ3脂肪酸と言われているα-リノレン酸、DHA、そしてEPAは極低温でも液体のまんまです。構造を見ると、飽和脂肪酸は直線的ですが、不飽和脂肪酸は二重結合の数が多くなるほど丸まり、融点も低くなります。直線的だと隣の分子との分子間相互作用が起きやすくなり凝集つまり固体化しやすくなります。丸くなるほど、分子間の相互作用が小さくなり、液体化します。健康に良いとされるのも、こんな構造由来があるかもしれません。飽和脂肪酸は、血栓になり易い感じでしょうか。オメガ3の意味を説明します。ω(オメガ)はギリシャ文字の一番最後です。化学式の炭素の番号(赤字)の一番最後がωで、そこを1番として、3番めに二重結合がくるものをオメガ3と呼びます。
p.3 耳慣れない「スフィンゴ脂質」は、スフィンゴジンと脂肪酸の反応生成物であると説明しました。スフィンゴジンの末端にある「R」が糖の場合「スフィンゴ糖脂質」、リン酸+塩基の場合「スフィンゴリン脂質」と呼びます。スフィンゴリン脂質の代表格が「スフィンゴミエリン」で神経組織の髄鞘に多く存在しています。
ただ本を読んでいるだけですと、眠くなる内容ですが、わからないことを調べながらまとめること(アウトプットですね)をしていると、眠さも生じず、新しい知見も得られるので有意義です。若い頃、このような勉強の仕方をしてくればよかったのに反省しております。