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適切な位置に置けば

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渋滞学については「「おもいやり」や「譲り合い」がエコにつながる」「どちらが早い?」で取り上げました。この場合は、流れは一方向に進む場合ですが、対向クロスする流れの場合について資料にまとました。

資料はこちら → 面白い流体力学その8

p.1 左側から人が歩いて来る際に、スマホ操作する人先頭にいる場合、中間、あるいは後方にいる場合の人の流れを見て解析しています。右側の4つのデータのうち、右下はコントロールとして、スマホを持たせない場合の結果です。黄色レーンが明確になっています。スマホを持つ人が先頭にいるとレーンが混み合っており、後ろに行くほど整流化できています。歩くスピードレーン形成までに要する時間にも影響しているのが、左下のデータから読み取れます。

p.2 左上の10枚の写真をご覧ください。渋谷のスクランブル交差点で、歩行者が歩き始めて③になると、レーンが形成され始めることが確認できます。右上は、適切な位置に障害物があると、レーンが形成しやすい事例です。右下の3つのケースは、駅構内に柱を設置した場合のシミュレーションです。この結果、①目的地に向かう最短距離に障害物を配置してはいけない 、②人の流れの進行方向に対して障害物を垂直に配置するより平行に配置したほうが流れは スムーズになるということがわかったようです。グラフの傾きが小さいほど、レーンの整流化が良いことを示しています。

p.3 「サン・フェルミン祭りの群集の動き」を解析した研究チームが論文を発表しています。右上がその論文のタイトルです。今年投稿された最新の論文です。群衆の動きに渦ができるというものです。乱流の渦と同じ原理でしょうか? 群衆が密になると動けなくなりメキシカンハットの頂点のような不安定な状況になります。すると人は右か左に動こうとします。するとその動きに垂直な方向に「奇妙な弾性力」が働くそうです。この動きが同期して振動して渦を形成していくと結論付けています。事故防止に利用されればいいですね。

今まで、流体力学に関するトピックスを取り上げてきましたが、調べてみると面白い現象が多いことがわかりました。

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