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まだまだもやもやしている

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立体と鏡像で読み解く生命の仕組み」(著者:黒柳正典 発行所:築地書館)を紹介します。我々を含む生命体はL体のアミノ酸で形成され、グルコースはD体のものを摂取していることは以前から知っていました。この本には、鏡像の一方だけが選択されているメカニズムについては、まだ明らかになっていないと述べられています。そこが一番知りたいところですが、別の新たな知見を得ることができました。以下にピックアップしておきますが、これ以外にも種々の視点での内容が詰まっています。

  • ユリー・ミラーメタン、アンモニア、水素及びがある環境に放電すると数種のアミノ酸が生成できたという有名な実験があります。最近では、深海熱水噴出孔環境においてアンモニアが生成されアミノ酸が生じたという説も研究されているようです。
  • 生物に利用されているアミノ酸がL体しかないのは、宇宙の隕石内のアミノ酸によりLとD体の比率の均衡が崩れたという説もあるようです。
  • 一部のD体アミノ酸は、免疫ホルモン分泌に重要な役割を担っている可能性がわかってきているそうです。
  • サリドマイド薬害事件では、有効成分障害をもたらす鏡像成分が混合していたために起きたようですが、最近では障害をもたらしていた成分も別の薬効が認められてきたようです。

以上、鏡像物質の効果は不思議で、なぜなのか、まだまだモヤモヤしています。いつか解明されるのでしょうね。

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