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同等であることを証明するには?

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さあ、どうしますか?」で、同等性検定には、有意差検定を使わないで「非劣勢試験」を用いるという話をしました。この手法と同じですが、統計ソフトMinitabに「同等性検定」という処理がありましたので、実施してみました。Minitabを使用できない方のために、Excelでも検証しましたので、まとめておきます。統計学ソフトを鵜呑みにせず、処理方法を理解しておくと応用が可能になります。

資料はこちら → 同等性検定

p.1 以前の資料の再掲です。有意差検定では、同等性を積極的には判断できません

p.2 この資料も再掲です。今回「対応あり」について、事例を用いて次ページより説明していきます。

p.3 統計ソフトMinitabを使用できる方は、このページの手順で解析してみてください。今回は、対応のある同等性検定を実施します。新しいコンタクトレンズ用洗浄液の効果をトップブランドと比較します。トップブランドの接触角の±0.5°以内に入るかどうかを検定します。「非劣勢試験」も同様に、許容幅を設定し、その範囲内に入ることを対立仮説範囲外にあることを帰無仮説として検定します。帰無仮説が棄却されれば、同等であると判定します。以下のMinitabサポートページにある「コンタクトレンズ洗浄液.MTW」をクリックしてダウンロードして、ファイルを開けば、Minitabが自動で起動して、データが表示されます。サポートページはこちら → Minitab

p.4 ➀「コンタクトレンズ洗浄液.MTW 」を開くかMinitabを起動後、直接数値を入力する→統計→同等性検定→対応のある をクリックして進めます。②左下のポップアップが表示されますので、資料のように入力してOKをクリックする解析します。右側のような解析結果は、「ビュー」をクリック後、該当する箇所をクリックすると表示されます。この結果から、読み取れることは、以下の2点です

  1. 両側のp値が何れも0.05以下のため、帰無仮説を棄却→新規品は同等である            帰無仮説は、比較対象の平均値に差が-0.5以下あるいは0.5以上             対立仮説は、-0.5≦比較対象の平均値に差≦0.5 → 新規品は同等
  2. トップブラントの平均角度±0.5度以内に新規品の95%信頼区間が収まっている

p.5 Minitabの結果を算出する計算式Excel関数にまとめました。Minitabという統計ソフトがなくても、Excelでも十分計算することは可能です。

p.6 算出された数値の意味を図にしてみました。右上図は、Mintabで描かれている図です。トップブランドの平均が中央のゼロで、今回同等とみなせる許容範囲が±0.5です。新規品とトップブランドの差の分布平均値は、−0.11929となり、同等とみなせる95%信頼区間が、-0.319606〜 0.0810335です。許容範囲に信頼区間が十分収まっています。次に、この差の分布の平均値が、−0.5以下あるいは0.5以上である確率(p値)を算出するために、各々のt値を算出します。t値=(平均値の差ー同等性区間上下限値)/標準誤差で算出します。−0.5以下のt値=3.3657、0.5以上のt値=-5.4748です。自由度13(=14−1)のt分布が中央にあります。95%の信頼度での棄却域はx軸上に赤線で示すように、t値が-2.16以下あるいは2.16以上の領域です。上述で算出した3.3657及び-5.4748は、十分に棄却域に入っていることから、帰無仮説は棄却対立仮説の-0.5<平均値の差<0.5が採用されます。つまり新規品はトップブランド品と同等であると判断できます。

いかがですか? 同等性検定の意味合い理解できましたでしょうか?比較対象の許容幅の外にあることを帰無仮説に設定することが肝です。

Excelファイルはこちら → 同等性検定

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