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ここにも平方和が登場

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昨日取り上げた「不確かさ」の事例です。

資料はこちら → 不確かさその2

p.1 校正時には、測定機測定法あるいは測定環境など諸々の要素があり、各々の要素に「不確かさ」が存在します。この「不確かさ」を「標準不確かさ」として数値化後、種々の「標準不確かさ」の平方和の平方根を算出して「合成標準不確かさ」とします。これは、先日の寸法公差の処理と似ています。最終的に、拡張不確かさ=合成標準不確かさ✕包含係数を算出します。この流れに沿って、次ページより事例説明します。

p.2 「メスシリンダを用いて、瓶に入っている薬液の体積を繰り返し測定してデータを得て、瓶の体積を校正する。薬液は瓶の上限目盛まで入っています。」10回の測定データの平均値、標準偏差標準誤差を計算します。計算式を表の右に載せておきます。標準誤差が「標準不確かさ」になることは、昨日説明しました。

p.3 今回体積を測定するメスシリンダが校正証明書がある標準器になります。校正証明書に用いる標準器の不確かさは正規分布に従うことが多いです。校正証明書記載の「不確かさU」をで割った値が、標準器の「標準不確かさσ」になります。Uは正規分布の2σなので2で割ってσを算出しているわけです。U=3mLの場合、us(=σ)=1.5mLとなります。校正する際に室温を測定するデジタル温度計分解能が1℃の場合は、±0.5℃の範囲内で一様な確率になるため、矩形分布の標準偏差ut=0.5/√3=0.2887℃と算出されます。

p.4 今まで求めた3つの「標準不確かさ」を表に埋めていきます。温度に関する「標準不確かさ」を温度から体積に換算するための「感度係数」を算出します。感度係数=体積膨張率✕体積で算出します。温度の標準不確かさに感度係数を掛けて体積換算します。全て単位がmLに統一できたので、3つの「標準不確かさ」の平方和の平方根を算出して「合成標準不確かさ」を求めます。「拡張不確かさ」は、包含係数k=2をかけて算出します。なぜ2をかけるかは、次ページで説明します。

p.5 種々の形状の分布を足していくと、中心極限定理により正規分布に近づいていきます。正規分布では、±1σが68.3%、±2σが95.4%ですね。「拡張不確かさ」は、分布の95%のばらつき具合を示しています。「合成標準不確かさ」を算出する際は、σつまり分散の加法性を利用しています。

不確かさの事例で、少しはイメージがつきましたでしょうか?

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