以前、多角形の頂点を結ぶ最短ルートについて「眠くならない数学の本」で取り上げました。ブログを立ち上げた6年も前の話です。その資料の中で正方形の4つの頂点を結ぶ最短ルートの長さを計算する方法を説明しました。今回は、これに関連する話です。
資料をご覧ください → 幾通り?
p.1 前回は、4つの点を結ぶ最短ルートをどのように結ぶかという問題でした。今回は、そのルートが幾つあるか?という問題です。少し考えてみてください。
p.2 正解は、右図のように2通りあります。前回、シャボン玉を使えば、最短ルートを作ってくれるという話をしました。この2通りはどの場合に形成されるのでしょうか? 2分の1の確率でしょうか? それとも、重力とかシャボン玉液に入れて取り出すときの角度やスピードが影響するのでしょうか? 興味津津です。夏休みの宿題に良いテーマかもしれません。
p.3 では、長方形の4つの頂点の場合は、幾通りのルートになるでしょうか?ルートの長さは長方形の縦横比を変えると無数にありますので、形の数で答えてください。
p.4 正方形は2通り、長方形は長辺方向に1通りが正解です。右にいくに従い、横方向の長さが長くなっていきます。ルートの>と<の角度が120度のときに最短ルートになることが知られています。上は>と<が短辺方向にある場合、下は長辺方向にある場合についてルートの長さを計算した結果を示しています。この結果、>と<が短辺方向にある場合の方が、長辺方向にある場合よりも短いことがわかります。一般化しても証明できると思います。右下のように長辺が短辺の√3倍になると最短距離は対角線そのものになることがわかります。これ以上、長辺の比率が増えると>と<が交差するため、この形状の限界になります。 以上のことより、長方形の場合は上のような形状が1通りが答えになります。長方形の特殊な正方形の場合は、2通りということになります。
読者の皆さんは、あまり興味沸かないかもしれません。「宇宙を解くパズル」(著者:カムラン・バファ、大栗博司 発行所:講談社)に問題と解答はあったのですが、詳しいことが説明されていませんでした。いろいろ調べましたが、長方形について説明している資料はなかなか見つからなかったので、p.4のように数字を当てはめて計算してみました。具体的な数字を入れてみて、ようやく腑に落ちました。生成AIも、今回は役にたちませんでした。