「暇と退屈の倫理学」(著者:國分功一朗 発行所:新潮文庫)を紹介します。購入して積読になっていました。哲学者が書いているので、読んでいると睡眠薬になってしまうかなと思いつつ、読み始めましたが、意外と読めそうです。先ず、「ウサギ狩り」の話が登場します。ウサギ狩りのハンターにウサギをあげたら、いい気分にはならないそうです。ハンターの欲望の対象は「ウサギ」ですが、欲望の原因は「気晴らしがしたい」なのです。したがって、原因を解消しない限りは楽しくないのです。物理学者であり哲学者でもあるパスカルが、この説を唱えています。そして、この欲望の対象と原因を知ったかぶりで説明する人はさらに愚か者だと言っています。なので、私も愚か者になってしまいました。お金をあげるからギャンブルをやめなさいというと、ギャンブラーは悲嘆します。お金は欲望の対象ですが、原因ではないということになります。スリルを楽しむことや目立ちたいことなどが原因となり得ます。 このような話が、書かれていますので、暇と退屈を持て余している方は、ご一読ください。