昨日、動特性のSN比の式を静特性と比較して説明しました。本日は誤差因子がある場合の動特性のSN比算出式の説明です。
資料はこちら → 変動その6
左上の表のように誤差因子n1とn2に関するデータが、信号M1、M2及びM3に各々1個ずつあるとします。下のグラフのようなります。n1とn2の2つの直線近傍に各々3個のデータが存在します。誤差因子により傾きは変動します。傾きが最大になるn2と最小になるn1の平均値の傾きが破線です。有効序数rは先日と一緒です。線形式は誤差因子毎に2つあります。Sβは2つの誤差因子の平均の傾きが反映されます。平均なので2で割っています。S(N×β)は、n1とn2の勾配の差が反映されます。SNは傾きのばらつきに関する変動、Seは誤差変動です。自由度が各々異なりますので、ご注意ください。 今回のSN比は右下です。昨日の分母Veの代わりに、今回はVNとなっています。つまり、SN比の分母は、誤差因子によるばらつきですね。rは2rになっています。イメージ図を描くと、式の導出を忘れても理解に役立ちます。
品質工学の動特性は、誤差因子を用いた検討が有効なので、本日のSN比を用いることが多いです。