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まだまだ高い確率

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滅菌条件を設定する際に、一定菌数の菌を担持させたバイオロジカルインジケータを用います。菌が生きている陽性率の計算方法について説明したいと思います。

資料はこちら → 陽性率

p.1 「稀におきる事象」で説明した図の再掲です。滅菌時間と共に、菌数は対数的に減少していきます。菌数が10分の1になる時間をD値と呼びます。10の6乗個から10の-6乗個まで死滅させるには、D値の12倍時間を要する計算になります。この10の-6乗個のことを無菌保証レベルSALSterility Assurance Level)と呼びます。ISO 11138-7:2019(E)ではサバイバル/キルウィンドウが、この図のように設定されています。

p.2 今日の本題です。最初の菌数がA個加熱t時間後の菌数をBとすると。右上の式で表されます。Bは最確数法によりln(n/r)という式で書けます。これについては、「稀におきる事象」で説明しました。p.3およびp.4に再掲しておきます。p.4に「最確数法」の説明をしましたが、発生頻度が少ない場合はポアソン分布に基づく確率を用います。この結果、B=ln(n/r)が導出されます。菌が検出される陽性率は、(1-eーB)×100[%]で計算できます。このグラフの縦軸は残存菌数の対数です。例えば、最初に10の6乗個いた菌が、加熱して10個になったとします。この時の陽性率を計算すると99.995%で、ほぼ100%菌が検出されます。では、10の0乗個、つまり1個の陽性率を計算すると63.212%となります。6D分、菌を死滅させても、陽性率はまだ高いですね。10の-1乗個より小さい菌数での陽性率は、縦軸の菌数を百分率にした値とほぼ一致しています。 菌死滅の安心感を得るためには、必要な滅菌時間が必要になるわけです。

 

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