プラスチックの劣化に関する話題です。
資料をご覧ください → プラスチック基礎その6
p.1 劣化の原因は熱・水分・紫外線があり、自動酸化や加水分解により劣化していきます。プラスチック内部では、分子の鎖が切れて、分子量低下やクラックが生じます。機械的な特性も劣化します。
p.2 ひずみ-応力曲線において、劣化が進むと左あるいは下方に曲線がシフトしていきます。
p.3 温度と紫外線による劣化の傾向を表にまとめています。エステル結合、アミド結合あるいはエーテル結合は加水分解により切断され劣化していきます。
p.4 化学系の方は、「アレニウスプロット」ご存じですね。絶対温度の逆数に対して反応速度係数が負の勾配の直線(右上図)になります。この式を変形すると縦軸を寿命に置き換えができ、樹脂の耐久期間を予測することができます。以前の「変化量の推定」「仕事は化学反応と同じ?」もご覧ください。
p.5 1年間の野外暴露に相当する耐候性試験時間をキセノンランプを太陽光とみなして見積もります。あるいは、10万時間経過後、引張強さが50%となる温度をRTI(相対温度指数)[℃]と定義して、このRTI値によりプラスチック間の耐久性を比較します。
外の物干しにある洗濯バサミの色が退色して、ぼきぼき折れてしまう経験がおありだと思います。紫外線で劣化が進んでいる証拠ですね。