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温度に加えて湿度による劣化

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薬液の安定性については、「変化量の推定」で取り上げました。この際は、化学反応次数と主に温度による変化量をアレニウスの式を用いて予測しました。 今回は、温度湿度による樹脂の劣化を取り上げます。

資料はこちら → 樹脂劣化予測

p.1 予測式を立てるための検討実験の条件を最初に設定します。例を表にしておきます。温度と湿度を3通り変えた9通りの条件を設定します。ある温度の飽和水蒸気圧Psは、右の表あるいは右上の計算式で求めます。相対湿度R飽和水蒸気圧より各温度における水蒸気圧Pを算出します。

p.2 評価する資料の形態及び評価の特性値を設定ください。樹脂を成形して板、シートあるいはチューブにします。 引張試験に用いるダンベル形状でも構いません。 評価する特性値は、引張強度、3点曲げ強度などの材料特性を選定ください。

p.3 各温度・湿度に暴露した際の強度を測定して温度毎にグラフを描きます。横軸は暴露時間です。最小二乗法により直線の傾きを求めます。この勾配が指数nです。切片がσです。表の空欄(赤枠)に数値を記載ください。

p.4 各温度毎に指数n水蒸気圧のグラフを描き、勾配mT定数CTを算出します。

p.5 絶対温度[K]とTのグラフより定数a及びを算出します。両対数グラフになります。左下の3つの式をまとめて樹脂劣化の推測式が完成です。予測したい暴露時間tにして予測してみてください。

温度に湿度を加えると組み合わせの実験回数が多くなり大変ですが、湿度による劣化が評価できます。

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