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単位のはなし

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 昨日、摩擦の話でF=μNという公式が出てきました。私たちが最初に習う物理公式は、速さ=距離÷時間でしょうか? 例えば、時間の単位は?と聞かれれば、秒・分・時間・日・月あるいは年と答えるでしょう。昔、単位は結構いい加減でした。次の資料のp.1をご覧ください。→ 単位 

 長さは、王様の腕の長さ、腰回り、足の長さなどで決められました。王様が小さかったり大きかったりでずれが生じてしまいますね。 日本で1尋(ひろ)というと、腕を拡げた長さになります。「千と千尋の神隠し」の「千尋」は1尋の千倍ほどの長さなので、拡がりを感じる名前ですね。 物差しがなかった時代は、自分の体の一部を使って計っていたのです。 外国の単位で「ポンド」というのがあり、「lb」と記載されていますが、これは天秤の「Libra」が由来のようです。「パウンドケーキ」は1ポンドずつ小麦粉、バター、卵と砂糖で作ったケーキが名前の由来です。

 p.3 ちょっと専門的になりますが、例えば「長さ」とか「時間」は物理量と呼ばれます。この物理量は、「物理量=数値×単位」の式のように数値と単位の積です。私が大学の指導教授から何回も言われたのは、p.4のように横軸が時間、縦軸が距離のグラフを書いた際に、横軸の目盛の下に数値を、その下に「時間/sec(または秒)」、縦軸の目盛の左に数値を、その左に「距離/m」と書くようにということでした。「物理量/単位=数値」なので、目盛下あるいは左横は「数値」つまり「物理量/単位」を表しているということである。なるほどなあと思います。 時間[sec(または秒)]とか距離[m]のように[単位]で書く人が多いですね。これでも間違いではありません。 書き方は違いますが、必ず単位は書きましょう。単位がなく、単に「時間」とか「距離しかないのはダメです。

 p.4 算数、理科などで計算する時は、必ず単位をつけて(物理量)として計算すると間違いが少ないです。 脱線しますが、「はじきの公式」って知っていますか?「」は「速さ」、「」は「時間」そして「」は「距離」の頭文字です。 「」と「」を掛けたものが「」、「」を「」で割ると右隣の「」、「」を「」で割ると左隣の「」となることを絵で表しています。この位置関係を忘れると間違えてしまいますが。 この公式を忘れた時に、距離[m]と速さ「m/sec」から時間[sec]を出すには、単位を考えれば、どちらをどちらで割るか直ぐわかりますよね。 この例は簡単過ぎて、直ぐわかってしまうので、少し複雑な例としてp.6をご覧ください。 化学の実験で、濃度1[mol/L]の塩酸が500mLあります。この溶液を10倍に薄めた溶液を調製したい場合、その1は、1[mol/L]の塩酸溶液を10mLとって100mLにする場合。その2は、10倍希釈した溶液を250mL調製するには、1[mol/L]の溶液を何mLとればよいばよいかという問題である。詳細は資料をご覧ください。単位も式の中に記載して計算すると間違えないで済みます。

 p.7 百分率で表すのはご存知ですね。この場合は単位/単位なので単位は消え、割合を示します。 [ppm]とか[ppb]という言葉を聞いたことありますか? 汚染物質がどのくらい存在するかを示す時によく使用されます。「ppm」は、百万分率(parts per million) 、「ppb」は十億分率parts per billion )を略しています。1ppbは、十憶分の1を意味し、非常に微量です。

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