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ピークを越えたか?

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有限要素法その2です。いつもこの辺からわからなくなって断念してしまいます。今日がです。一番苦しい時です。頑張って行こう。

資料はこちら → FEN基礎からその2

p.1 一本のバネの場合は、物理でよく出てくるF=kx、ここではF=kdとしていますが、バネをn等分して1個1個で式を作ります。それをマトリクスで表します(右)。

p.2 3次元の場合も左上図のように分割します。式は、p.1と同様の{F}=[K]{u}となります。両辺に[K]ー1を掛けて、変位は{u}=[K]ー1{F}で求められます。材質内の応力σひずみε弾性係数Eによりσ=Eεですが、分割した場合は、{σ}=[D]{ε}のようにマトリクスで表されます。[D]は「Dマトリクス」と呼び、材料の硬さを表す行列です。

p.3 左図の太枠の立方体が1つの要素になります。番号のある場所が節点です。この1要素当たり8個の節点の変位{u}は、各接点の変位に形状関数Nが掛けて足し合わせます。この形状関数に関しては、「要素内の物理量分布」と書かれているだけで、まだ意味が理解できておりません。後で、解説がでてくればよいのですが。

p.4 ひずみε変位の微分量のマトリクスで表され、前ページのように形状関数変位分解すると、形状関数の微分マトリクスになります。これを「Bマトリクス」と定義します。上の図がその図形的なイメージです。破線の形状が実線のように変形すると形状が変化しています。x、y及びz方向にどれだけ変化しているかBマトリクスで表しているのです。

p.5 仕事=力×変位で表され、仕事量Wは左下のグレーの面積なのでW=(1/2)FΔuとなります。距離xの微小な部位では応力σとひずみの間にσ=Eεの関係式が成り立っているので、積分して仕事量W=F2u/2EAとなります。一方、微小部分での内部エネルギー(1/2)σεで、積分するとF2u/2EAとなり仕事量と同じ値になりました。W=Uです。

p.6 上述までに出てきた式を左上にまとめておきます。外力により構造内部に変形しようとするエネルギーを計算します。積分してエネルギーを計算する際に、左上の式を代入し、さらに3次元に拡張します。3重積分の形になりました。 この式を次ページで利用します。

p.7 仕事W=(移動距離)×力です。移動距離及びベクトルの場合、スカラー量であるWを計算するには移動距離の転置行列力の行列に掛ける内積の形にすればよいのです。 p.5でW=Uが分かっているので、W及びUに各々今まで算出してきた数式を入れ込みます。[B] [A]=[A]T [B]Tという代数の定理を用いて式を変形します。ピンクのように転置行列にして順番が変わっています。 また定数項は積分の外に出ます。赤の斜線部は同じなので消去します。そう、この[B]T[D][B]の部分がなぜこのような形になるか今まで府に落ちていませんでしたが、ようやく意味が理解できました。移動距離と力の内積を求めるために転置行列にすることも関わっていた訳です。 最後は、3重積分の部分要素剛性マトリクス[Ke]と定義し、要素剛性マトリクス[Ke]の逆行列を力のマトリクスに掛ければ変位マトリクスが求められます。なぜ[B]T[D][B]となるかの別解は「まだまだ腑に落ちない」、転置行列については「転置行列の意味が少しわかりました」で取り上げました。

やはり、今日の所は有限要素法理解の大きなピークでした(私にとって)。あーあ、数式が多いので資料作るだけで疲れました。皆さんは、あまり興味をお持ちでないかもしれませんが、原理的なことができないと便利な解析ソフトがあっても気持ちが悪い私でした。

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