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癒しの睨み

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先日紹介した「風神・雷神 上下」(著者:柳 広司 発行所:講談社文庫)のを読んでいたら京都にある「養源院」の話がでてきました。もう何年も前ですが、家族で「養源院」を拝観したことを思い出しました。三十三間堂の隣にありますので、是非ご覧ください。

資料はこちら → 養源院

p.1 最初は淀殿浅井長政を供養するために秀吉に建立させた菩提寺です。その後、淀殿の妹のお江が継承して焼失します。お江は徳川秀忠の奥様ですので、幕府に再建を依頼し、伏見城籠城で自決した鳥居元忠等の血染めの戸板を使うことを条件に再建されました。浅井長政、淀殿、鳥居元忠等の怨念が込められたお寺でしばらく人々が寄り付かなかったようです。血染め天井には手形も見えます。生々しい天井です。

p.2 そこで俵屋宗達は、「明るく」「子供でも喜ぶ」「厄を払う」条件を満たす空想上の動物が「にらむ」絵を描いたそうです。にらんではいますが、どこか滑稽なところがあり上述の条件を満たしていると思います。 当時風靡した狩野派も描くのを拒んだそうなので、宗達の真骨頂を発揮できたと思います。 この戸板は杉材で油があり絵具を弾くため、金箔の上に絵を描いたそうです。

小説を読んでいると、現物を見て想像してみたくなります。

 

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