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大きいのに同じ?

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スケール則の中で重要な法則が「面積保持分岐」です。植物では幹から枝が分岐し、動物では動脈から毛細血管に分岐していきます。水や血液を無駄なく末端まで送液するには、末端の管の面積の総和元の管の面積等しいことが重要です。末端の面積が小さい場合は、分岐において反射という戻る現象が生じて圧力損失が生じてしまいます。 大型生物と小型生物ではどのように違いがあるのでしょうか? ゴジラはどうでしょうか? 資料をご覧ください。

資料はこちら → スケール則その2

p.1 植物の場合は、維管束により管が分かれているので問題はないのですが、動物の場合は、心臓から動脈に血液を入れて末端の毛細血管まで送液しなければなりません。 分岐部では流量Q2つに分かれて流れます。分岐前の血管の半径をrとすると、分岐後Q/2の流量を流すためには、分岐後の血管の面積は分岐前の面積の半分となります。分岐後の血管の半径はr/√2になります。このように損失がない分岐にすることを「インピーダンス整合」と呼びます。

p.2 現存する地球上の最大生物はシロナガスクジラです。小さい方の代表としてトガリネズミを取り上げます。各々の体長・体重・心臓の大きさ・心拍数・動脈の直径を記載しておきます。左下の写真はシロナガスの心臓の模型です。子供が入れるぐらい大きいですね。 特性値を記載しましたが、どの動物も血圧はほぼ100mmHgぐらいで同程度なのです。キリンは首長なので少し高血圧ですが。 トガリネズミの場合、細い血管にシロナガスクジラと同じ血圧で心拍数が1,200回/分ですから、負荷が高く短命なのがわかります。

p.3 先日、微小になると粘性力が効いてくる話をしましたが、末端の毛細血管では、粘性抵抗により交流のような脈流がなくなり直流のような流れになるそうです。大動脈から10回分岐すると、最初の半径1.5cmから0.5mmまで細くなります。その先の分岐では、1/√2ではなく1/3√2で細くなっていくそうです。

p.4 ゴジラ、シロナガスクジラ及び最大恐竜のアルゼンチノサウルスの特性値を載せておきます。ゴジラがとんでもなく大きいことがわかります。これだけの尿をされたら臭いどころの話ではありませんね。 これほど大きいゴジラを支えるだけの材質はなかなかないそうです。先日公開のガンダムの7倍くらい大きいので、一気に踏みつぶされてしまいそうです。

スケール則を考えると、いろいろ想像できて楽しくなってきますね。

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