「スケール 上・下」(著者:ジョフリー・ウェスト 発行所:早川書房)を読み始めました。30年ほど前にマイクロマシン技術で触れた「超極微細の空間」においては、「スケール則」が駆動力に影響を与える。ということを思い出しました。 次の資料をご覧ください。
資料はこちら → 寿命
p.1 パラメータの中で長さをLとすると、各パラメータをLで表すことができます。例えば、面積=縦×横のように書き表せるのL×L=L2となりますし、体積=縦×横×高さなのでL×L×L=L3のようになります。質量=密度ρ×体積なのでL3に比例します。このLの部分を寸法効果と呼びます。寸法Lがパラメータに及ぼす効果を表しています。Lが小さくなると、重力(L3)や慣性力(L4)に比較して粘性力(L2)の効果が大きくなります。微小な機械は、液の粘性や摩擦力の影響を受け易くなります。 一方、慣性力よりも静電力を利用すると動かし易くなります。
p.2 この本の本題から脱線してしまいました。「ゾウの時間、ネズミの時間」(著者:本川達男 発行所:中公新書)を読まれた方は居られますか? この本でもこの話題を取り上げています。動物の寿命をグラフ化したものです。哺乳類のインドゾウの80年に比べ、クマネズミは4年8か月しか寿命がありません。鳥類、爬虫類、両生類、魚類何れも、大型動物の方が寿命が長い傾向があります。因みに、2019年の日本女性は87.5年、男性は81.1年でした。
p.3 体重、心拍数及び寿命の関係をグラフにしてあります。種々の動物について、体重と心拍数、体重と寿命、心拍数と寿命は相関関係があることがわかります。右下のグラフをご覧ください。生涯の心拍数の合計は、ほぼ一定値なのです。つまり、ネズミのように心拍数が多い動物は寿命が短く、ゾウのように心拍数が少ない動物は長寿命になります。心臓が一定時間働くと壊れてしまうのでしょうか? 「アロメトリー則」は、種々のパラメータが体重Wの4分の1乗に比例していることを示しています。 人間の場合(赤丸)は、これらの直線から外れているので、ゾウほど大きくなくても、長寿命になっています。 医療が進んでいるからでしょう。
寿命は年々延びて来てはいますが、「ゾウの時間、ネズミの時間」の著者である本川達男名誉教授が警鐘を鳴らしておられます。以下のWebsiteをご覧ください。
時間をデザインする → https://www.works-i.com/works/series/ikimono/detail001.html
時間を早めているオン時間と家でリラックスするオフ時間をデザインした方がよいと言っています。 反省、反省・・・。