「進化のからくり」(著者:千葉聡 発行所:講談社)を図書館の新刊本コーナーから借りてきました。例によって、タイトルに「進化~」が入ってだけの理由なのですが。 昔は「まえがき」はほとんど読みませんでしたが、最近は必ず読みます。本を書いた背景、動機あるいは著者の思いがわかるからです。まだ本文は読んでいませんが、まえがきを読んで思わず含み笑いをしてしまいました。 以下その一節です。 【想像するに、本書を手にした諸氏の関心は、「進化とは何か?」である。もしかするとビジネス上の理由から、例えばクライアント相手のプレゼンに、進化というワードを入れてみたくなったから、……中略……。だがほとんどの場合、諸氏がページを開いた動機は、純粋な好奇心だろう。 何かを知りたいー私たちが知的好奇心をもつことは、進化の結果である。……好奇心を働かせて得られるものは、たいてい新奇であるが何の役にも立たない雑多な情報で、時間の無駄、コストもリスクも増すので、……子孫を残す上で不利になるはず。例えば、大切な恋人とのデートの途中、立ち寄った書店で、恋人の存在を忘れて読み耽って、破局を迎える。大切な会議や試験の前日に、準備を忘れて本を読み耽って、当日を迎える。なぜ、好奇心などという、無駄で非生産性で不利としか思えぬ性質が進化したのだろうか。有力な仮説の一つは、好奇心が強いことによる目先の不利益を、それによって得られる長期的あるいは大局的な利益が上回るからというものだ。好奇心を働かせて吸収した情報や知識は、その時点では役に立たなくても、後になって環境が変われば、危機を回避したり食物を確保したりするのに役立ち、子孫を残す上で有利になっただろう。機械学習のプログラムにおいても、好奇心に相当する性質を組み込むことにより、予測や判別の精度が向上する……袋小路を脱して最善の結果を導くことがあるのだ。……無駄なコストばかりかかる行為を続けるには、何かそのモチベーションとなる仕掛けも合わせて進化する必要がある。この仕掛けが、行為に対する「報酬」である。好奇心の場合、それを高めたり満たしたりすることで得られる「楽しさ」が報酬なのだろう。】
この「楽しさ」が動機になることは「内からが大事」で紹介したTEDでも言っていましたね。以前紹介した仕掛け学「その気にさせるには仕掛けが!!」が楽しくさせるヒントになります。 上述のまえがきの内容は、本ブログのタイトル・立ち上げの趣旨と合致しています。 今は、ガラクタの情報かもしれませんが、いつか進化して欲しいと思いながら毎日投稿しています。それが私のモチベーションアップの原動力です。