バリデーションの話が出たついでにお話しします。 この語句の定義あるいは解釈は人により多様性があります。外来語なので、最初に訳した人も困惑したものと推測されます。「検証」「確認」という言葉で訳されると、昨日のベリフィケーションも同じ言葉で訳されることが多く、意味がわからなくなってしまいます。参考のために、辞書、省令、規格で記載されている言葉を列挙してみました。あえて単語で言うと「妥当性確認」あるいは「妥当性検証」になるのでしょう。ベリフィケーションとの違いを区別するのであれば、バリデーションのままの方がよいかもしれません。 なお以前、「バリデーション」で検索したら、三省堂大辞林の②にあるように「バリデーション療法」のサイトが検索トップに表示されて、面食らったことがありました。 このバリデーションは、医療機器、医薬品あるいはIT産業で微妙に守備範囲が異なります。 明日もう少し説明いたします。
各種辞書: Weblio「批准、確認」、コンピュータ用語辞典「妥当性確認、動作確認試験など」、機械工学英和辞典「妥当性確認」、電気制御英語辞典「確認、立証、検定、妥当性確認」、学術用語英和対訳集「バリデーション、確認」、日英・英日専門用語辞書「バリデーション、妥当性確認、妥当性検査、妥当化、妥当性検証、実証、確認、評価、確証」、三省堂大辞林「① 妥当性確認。検査・分析の方法やその作業プロセスなどが適切であるか科学的に検証すること。②認知症の高齢者の介護法の一つ。共感することを基本に、一般の人に理解できない行動などもすべて受容し、コミュニケーションをとろうというもの。バリデーション療法」
GMP及びQMS省令: 「製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法(以下「製造手順等」という。)が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることをいう。」
FDA: 「“Establishing documented evidence which provides a high degree of assurance that a specific process will consistently produce a product meeting its predetermined specifications and quality characteristics.”
(文書化された証拠を確立してゆく作業であり、これはあらかじめ定めた仕様や品質にあった製品を継続的に生産するプロセスに対して、高度の保証を与えるものである。)」
ISO9000: 「妥当性確認(Validation)客観的証拠を提示することによって、特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされていることを確認すること。」
ISI13485及びGHTF(医療用具規制国際整合化会議): 「バリデーション」の語句は出てくるが、定義や用語説明の記載は認められません。