過去に「交互作用」については何度か説明してきました。過去ブログ「実験の効果を判定するには」「いつも最強のペアになるとは限らない」を参照ください。本日は、次の2点について述べます。①実験計画法を用いる際に「交互作用」があることに知っておく、あるいは ②交互作用かどうかを確認するために実験計画法を使う。 資料をご覧ください。
資料はこちら → 交互作用その2
p.1 A及びBという要因1と要因2があったとします。各要因毎に、水準0と1の2つの実験条件があるとすると、4つの実験を左表のように計画する必要があります。この表を割付表といいます。品質工学の直交表でも出て来ますね。 「交互作用」を、右に図示しました。要因1と要因2について、実験2(緑線)と実験3(ピンク線)の実験結果を描いています。実験2では要因2が効果の主要因に、実験3では要因1が効果の主要因になっています。 この「交互作用」をみるため、要因3の列に水準を割り当てます。実験2と3は水準0と1が反対ですので、交互作用がある可能性がありますので「水準1」とし、実験1と実験4は何れも水準が一緒なので、交互作用はないとして「水準0」を割り付けます。このような実験計画で得られた結果を左下の図に示します。オレンジ色で繋がれたデータは、実験1と4が結果0、実験2と3は結果4となりました。実験2と3は要因1と2のどちらが寄与しているかわからないですが、交互作用がありそうですね。交互作用があるかどうかは、交互作用の可能性がある実験2と実験3の結果の平均値は(4+4)/2=4、と実験1と実験2の結果の平均値は(0+0)/2=0となります。前者が大きい値なので、交互作用があると判定します。 次は、青線のような結果が得られたとします。実験2と3の平均値は(0+4)/2=2、実験1と4の平均値は(0+4)/2=2となり同値ですので、交互作用はないと判定します。
p.2 A、B及びCという3つの要因がある場合の割り付け表の作り方です。交互作用が無い場合は、要因1、2及び4のように割り付けられます。交互作用A×Bは要因3、A×Cは要因5、B×Cは要因6、そしてA×B×Cは要因7に割り付けます。表の下のルールで割り付けてください。A×B×Cは、要因3と要因4で同様に割り当ててください。これで要因3つ、水準2つの実験計画割り付け表の完成です。
p.3 実験計画法には割り付け表の近くに、下のような「線図」が書かれています。「〇」が単独の要因を表し、線が2点間の交互作用を示しています。左も右の図も同じ意味を表しています。
実験計画表に基づいて実験する場合は、交互作用が現れる列を確認してください。結果が出たら、交互作用があるかどうかを確認してください。