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ロウソクに例えられる人に

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ノーベル賞受賞の吉野さんが読んだ名著ファラデーの「ロウソクの科学」のだそうです。 この本をさらに分かり易く解説した本が2冊ほど書店に並んでいました。どちらも理解し易いように見えましたが、図解入りの「図解 ロウソクの科学」(著者:市岡元気 発行所:宝島社)を購入して早速読み始めました。著者の市岡さんは、でんじろうさんの下でアシスタントをして、現在では自らサイエンスアーティストとして活躍されているようです。この本は、まえがきに吉野さんのノーベル賞受賞の話が載っているほどホットな今月12月23日発行(あれ? 今日はまだ18日なのに)の本です。簡単に読めますので、是非目を通してみてください。

私は化学出身なのですが、改めて読んでみると新たな発見がありました。例えば、ロウソクの炎の最も明るい部分には影はあるでしょうか? 答えは有りです。明るい部分にも光を遮る物質が存在していることを示しています。

ファラデーは1つのロウソクを用いていろいろな実験をして目に見えない物質の存在を明らかにしています。酸素、二酸化炭素、そして二酸化炭素が酸素と炭素の化合物であること証明していくのです。そして、呼吸と燃焼の類似性光合成まで言及していきます。この本はクリスマスのサイエンスショーをまとめたようなのですが、この講演の最後にファラデーは「皆さんの時代が来たときに、一本のロウソクに例えられるにふさわしい人になっていただきたい」と結んだそうです。ファラデーが伝えたかったこと、とても奥が深い言葉だと思います。 一本のロウソクでも、疑問を持って臨めば、いろいろな物質の存在及びその反応状態が明らかになってくるのです。吉野さんが薦めるだけの本だと思います。 市岡さんの本には、クレヨンからロウソクを作ったり、スチールを燃やす実験の紹介もされていますので、お子さんと試してみたらいかがですか? ファラデーは「燃えやすい粉」として「石松子(せきしょうし)」も紹介しています。 丁度1年前に、私も試した覚えがあります。当時のブログは→「胞子の火炎を放射」、参考にした動画はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=peL1orGWPn8 にあります。

科学離れが進んでいるようですが、是非、いろいろ好奇心を持って欲しいものです。

 

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