本日より何回かに分けて「生物の中の悪魔」(著者:ポール・デイヴィス 発行所:SB Creative)から面白いトピックスをご紹介いたします。まだ3分の1ほどしか読んでいないのですが、話題満載です。 皆さん、「マクスウェルの悪魔」という言葉を聞いたことはありますでしょうか? 大学の頃、サイエンスを平易に解説しているブルーバックスをよく読んでいたのですが、その中で一番印象に残っているのが、表紙の絵(悪魔が瓶のなかにいる)です。「エントロピーは増大する方向に動いている。もし悪魔がいれば、エントロピーを減らすことができる」ぐらいしか、記憶に残っていません。ブログのリストを作っていたら、「連鎖とエントロピーの増大」「ごみで散らかった部屋はゴムと同じ?」「デスクトップ画面もエントロピーが大きい?」などとエントロピーという言葉をやたらに使っていました。
エントロピーはこの絵が分かり易いです。 → マクスウェルの悪魔
通常、速く動く分子だけ集めた高温の部屋と遅い分子だけを集めた低温の部屋が真中の仕切りで隔離されていた右の絵の状態で、仕切りを開放すると左の絵のように速い分子と遅い分子が混ざって、平均的な温度になります。左向きの矢印がエントロピーが増大する容易に進む方向です。 ところが右向きに進むには、エネルギーが必要になってしまいます。エアコンで冷暖房する必要が生じます。 エネルギーを使わない悪魔がいて、速く動く分子と遅い分子を分別してあげれば、右の矢印に進めることが可能になる訳です。 これが可能になれば、永久機関ができるのです。 そういえば、永久機関に関するブログもありました。「永久機関のように見える」
前置きが長くなりました。 本日は、「散逸構造」の話をします。これもエントロピーに関係しているのです。
散逸構造の説明は → https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%A3%E9%80%B8%E6%A7%8B%E9%80%A0
エネルギーを取り去った後に、ある形状になると言っています。動画を見た方が分かり易いですね。
味噌汁の例 → https://www.youtube.com/watch?v=_IYHT5jAInc
熱い味噌汁を置いておくと、脳みそのような形状になることに気がついていますか? ベナール対流と言って、これも散逸構造の一つです。 混沌(エントロピーが大きい)した状態から、エネルギーが散逸していくと秩序だった形になるのです。エントロピーは減少している?
散逸構造の動画(英語)です → https://www.youtube.com/watch?v=LL3kVtc-4vY
これも英語です → https://www.youtube.com/watch?v=JQzsevDjqu8
どこかに私の部屋を片付けてくれるエネルギー不要の悪魔はいないでしょうか? エントロピー増大するばかりで困っています。