今朝、富士山が綺麗に見えています。5合目まで雪が積もっています。肌寒い朝です。 昨日は、資料を作成するのに手間どり、投稿できず申し訳ありません。三角関数の波に色づけするのに時間がかかってしまいました。なので、昨日のブログはお休みにします。
いろいろな周波数の波を合成する「フーリエ級数」の話を以前しました。今回はその逆です。例えば、野菜ジュースに含まれている成分を解析する手法になります。トマト、ニンジン、セロリがどのぐらいの分量で入っているかを調べる方法です。音の解析の場合は、周波数アナライザーの原理になります。式は難しそうですが、絵を描いてみれば非常に理解し易いです。「フーリエ展開」と言います。
資料をご覧ください。イメージし易いものにするのに苦労しました。 → フーリエ展開
p.1 周期Tで繰り返される複雑な波は、分解することができます。
p.2 複雑な波は、sin波でもcos波でもない一定値と周波数と振幅が異なるsin波とcos波に分解できます。分解のカギは「①プラス・マイナス」と「②面積」です。
p.3 周期Tの区間で面積を求めてみましょう。振幅が一定値A0のものの面積はA0×Tです。それ以外の波、例えばB1sinωtは、プラス・マイナスでキャンセルされて面積はゼロです。A1cosωtもプラス・マイナスがキャンセルされてゼロになります。同様に、sin波及びcos波はどの周波数の波も、周期T区間での面積はゼロになります。
p.4 以上のことより、合成波の周期Tの区間で面積を求めるとA0Tとなります。これにより、A0は複雑な波f(t)の周期Tでの面積を算出して周期Tで除して求めます。
p.5 A1cosωtにcosωtを掛けると右図のような波となります。マイナスがなくなりプラスの波になります。
p.6、7 A1cosωt以外はcosωtを掛けると、周期Tの範囲では全てゼロとなります。
p.8 cosωtを掛けて唯一残ったA1cosωt×cosωtの周期Tの面積は、周期Tの半分2分のTを横軸、縦軸A1の四角形の面積となります。A1を算出するためには複雑な波f(t)にcosωtを掛けて周期Tでの面積を算出後、2分のTで除して得ます。
p.9 cosnωtの係数Anを算出するためにはcosnωtを複雑な波の式f(t)にかけて区間Tで積分後、2分のTで除して得ます。sinnωtの係数Bnを算出するためにはsinnωtを複雑な波の式f(t)にかけて区間Tで積分後、2分のTで除して得ます。 定数項A0は、周期Tでf(t)を積分後、周期Tで除して得ます。 式は難しそうな形をしていますが、これが複雑な波の式f(t)を分解する「フーリエ展開」の原理です。 「フーリエの冒険」では、「A0フィルター」とか「Anフィルター」という表現をしています。フィルターで欲しいものだけを得るという意味ですが、電子機器の周波数フィルターという意味も含まれているのでしょう。
いかがでしたか? 以前「直交表」のところで「直交」の話をしましたが、「フーリエ展開」では自分以外の波を掛けると面積がゼロになる「直交」を上手く使っているのです。次回は「離散フーリエ展開」といって、実際の合成波を分解することを解説します。403ページの「フーリエの冒険」の112ページまで終わりました。では、また次回。