「化学実習」の中で、「分離」について実習します。 世の中には、「液体クロマトグラフィー」「イオンクロマトグラフィー」「ガスクロマトグラフィー」など分離する分析機器はたくさんあります。 実習では原理的ことを体験してもらいます。
資料ご覧ください → 分離
p.1 化学実験で用いる代表的な分析機器を表にしました。略語も書いておきます。「クロマトグラフィー」は方法、「クロマトグラフ」は装置、「クロマトグラム」は得られたスペクトル図を意味します。時々混乱します。 分析する対象により分析器を選択します。
p.2 高速液体クロマトグラフを例にします。他も固定相と移動相そして検出部の構成は同じです。固定相はカラムと呼ばれていて、種々な化合物が充填されています。移動相は、有機溶剤、水溶液あるいはガスです。分析したいものをインジェクターから注入すると移動相に取り込まれてカラムに行き分離され、出てきた順番に検出器で濃度を検出する訳です。検出器は、UV・可視光の吸収、蛍光発光あるいは屈折率の差異でみます。
p.3 カラムの中で分離させますが、いろいろな機序があります。 一番簡単なものは、ろ過と同じように大きさでふるい分けるものがあります。 次は、固定相、検体及び移動相の力関係によって分離されます。 固定相とのイオン結合や化学結合が強いものは、動き難く、弱いものは移動相と共に動いていきます。同じような化学構造であっても、末端の官能基が違うと、固定相との親和性に差が生じます。
p.4、5 上述の分離を体験するには「ペーパークロマトグラフィー」が簡単にできてよいですよ。ペットボトル、長いろ紙、水性インクと水があればできます。 研修では、「黒はどうなるか?」という質問を投げかけます。 実際に分離してみると、黒が一番きれいです。本当にいろいろな色に分離してきます。 小学生の頃、パレットに出したいろいろな色の絵具を混ぜた際に黒くなったことを思い出しませんか? この逆ですね。 この実験の際にフタは閉めてください。 移動相の水が蒸発すると展開できなくなりますので。 是非、お子さんに見せてあげてください。細長いろ紙は、理科教材サイトで手に入れることができます。