いよいよ直交表実験ですが、評価結果は出力そのものではなく、SN比で行います。 以前作成した資料を見直していたら、こんな時間になってしまいました。 このところ、明日から本格的に開始する研修の準備や地域の役員の仕事で疲れていて、うたた寝してしまいました。 おそらく、皆さんもこのSN比の式の意味が分からず、品質工学を敬遠されるのではないかと思います。 私もまだ上手く説明できません。 コンサルの先生が理解し易い本を書いてくれると助かるのですが。 とりあえず私は、式はできるだけ絵にしてイメージし易いようにしたいと思っています。 まだまだ納得できるものではないですが、次の資料を参照ください。
資料 → SN比
p.1 SNの式は、下の四角枠内の式で、なぜVeを差し引くかについては、期待値を推定するという数理的な話になるので、分かり易い説明は私はまだできません。 ここで覚えて欲しいのは、分子が信号（有効成分）、分母がノイズ（無効成分）であるということです。
p.2 品質工学や分散分析では、平方和を使うとイメージし易くなります。 この例は、目標値ｍに対して、ｙ１＝５、ｙ２＝４、ｙ３＝３というデータがあったとします。これらのデータの平方和は、ST=25+16+9＝50となり「全変動ST」と呼びます。 平均値ｙﾊﾞｰは４ですね。 ｙ１、ｙ２及びｙ３何れも４ですので、目標値からの偏りSｍ＝16+16+16＝48です。この平均値とｙ値の差分の平方和が誤差変動Se＝1×１+（-1）×（-1）＝2です。 全変動＝偏り＋誤差変動 つまり50＝48＋２ が成り立ちます。
p.3 目標傾きが１の直線に対して、３つともｙが２のデータある場合、全変動ST=2×2+2×2+２×２＝12となります。 傾きの変動Sβは次のp.4の式で計算します。L1とL2の２つありますが、p.３の場合はL1だけに着目してください。L1は信号とデータをかけて加算したものです。L1=1×1+2×2✛3×3＝14です。 14の二乗を信号の平方で割ると約10となります。 直線とデータｙの差が誤差ですね。誤差の平方和Se=1×1+０×０+（－1）×（－１）＝2 ここでも、St＝Sβ+Se つまり12＝10+2となります。ここでも「平方の加法性」が成り立ちます。
p.4 誤差因子N1とN2について信号M1、M2及びM5の変化のグラフを描きます。誤差因子N1とN2の２つの直線のデータが表のようになります。SN×βとSNという項が新たに登場します。
p.5 グラフに描いたものです。SN×βのイメージはN1とN2の直線の開き具合を示しています。
p.6 帯グラフにしたものです。 N1とN2について傾きの変動Sβと誤差変動があり２つの直線の開き具合SN×βがあります。これを下のように整理します。SNは誤差変動に相当つまりSN比の分母になります。