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画題で読み解く日本の絵画」(著者:佐藤晃子 発行所:山川出版)を紹介します。水墨画などを見ていても、何が描かれているかわからないことがよくあります。本書は、可愛らしいイラストで説明されているので、理解を助けてくれます。イラストは本書をご覧になってください。実際の絵画をネットで調べてみました。

資料はこちら → 日本の絵画

p.1 先ずは「寒山拾得」です。巻物を持っているのが「寒山」、ほうきを持っているのが「拾得(じっとく)」です。「寒山拾得」で検索すると、いろいろな絵画が出てきます。確かに、持物を見ればどちらが寒山で拾得かはわかりやすいですね。ただ、必ず持っているとは限らないようです。また、「寒山拾得」を見立てた女性の絵があったり、横尾忠則さんのようなポスターもあります。「寒山拾得」を知っていれば、見立やポスターを見る際も面白みを感じますね。

p.2 琴棋書画(きんきしょが)というスタイルを覚えておくと、屏風絵等を見る際、どこにポイント琴、囲碁、書道、書物、絵)があるかを探す楽しみが増えます。

p.3 観音は仏像で見ることが多いですが、絵画もあります。「観音(かんのん)」は、「観世音菩薩」あるいは「観自在菩薩」ので、いろいろな観音がいます。4種類の観音の絵を載せておきます。蛤蜊(こうり)観音は、大きな蛤の上に乗って、漁師の安全を守っているそうです。

p.4 三十三観音のリストです。まさに三十三間堂は、この「三十三観音」をにした物です。この「33」という数字は「マスターナンバー」と呼ばれ、3が2つ並ぶことで、数字の3が持つエネルギー(自己表現、創造性、祝福など)を増幅させていると考えられています。この他、キリストが33歳で亡くなったとか、ダビデ王が33年間君臨したという説があり、特別な数字になっています。西洋でも東洋でも同じなのですね。

p.5 達磨と言えば、ダルマさんのように坐禅している姿を思い浮かべますが、立っている達磨大師の絵があります。達磨大師は、中国禅宗の開祖であるインドの僧侶で、亡くなった3年後に片方の履物だけを持ち、これから「インドに帰る」と旅人に語ったという言い伝えがあります。墓には、もう片方の履物が残っていたそうです。この言い伝えを絵にしたものが「隻履達磨」です。芦の葉の上に乗って川を渡る達磨大師の絵もあります。とても人間業ではありませんね。江戸時代の歌川国芳は達磨大師がそばをすすっている絵を描いています。庶民的な姿になっています。

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