「数字に強くなる30のトレーニング」(著者:西岡壱誠、東大カルペ・ディエム 発行所:TAC出版)を紹介します。数字に強い人は、暗算・式を立てる・置き換える・俯瞰する・試行錯誤する能力があるそうです。これを鍛える例題が載っています。受験だけでなく、日常生活でも役立ちます。面白い問題がありますので、挑戦してみてください。
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p.1 問題1 通分しないで解いてください。問題2 ?と!には同じ数字が入ります。いくつですか? という問題です。考えてみてください。
p.2 問題3 業務量冷凍野菜1,440gを使って、全体の12.5%の塩を添加するレシピがあります。使う塩の量は何gでしょうか? 問題4 500Wで6分、1500Wで2分で温まる冷凍野菜があります。1000Wの電子レンジで温めるには何分でしょうか? 問題5 1/3 と 1/5 の真中はいくつか? 問題6 行きは60km/h、帰りは120km/hで同じ道を往復しました。平均時速はいくつでしょう? さあ、どうでしょうか? 暗算に近い方法でスマートに解きたいものです。
p.3 分数を小数に置き換えるのがミソです。通分すると分母が大きくなって計算が大変になりますが、小数に変換した方が速く計算できます。
p.4 ?及び!共に分母なので、通分する必要がないので、分子の和を求めれば良いわけです。和を求める際に、右辺の数字になるように数字をまとめると、さらに計算しやすくなります。著者は、数式全体を俯瞰的に見れる力が大事と言っています。
p.5 小数を分数で表すと計算し易くなる事例です。表にある分数を覚えて置くと計算が容易になります。特に、0.125は1/8であることを覚えて置くと便利です。この他、0.375や0.625なども覚えておくと良さそうです。また、1,440を800と640に分けるのはなかなか思いつかないですが、これを思いつければ計算は容易ですね。
p.6 理系出身の方であれば、間違えないと思いますが、うっかりすると平均値で考えてしまいます。左図のようなグラフを描くと、4分が正解のような気がしてしまいます。このような問題は、エネルギー量で考えなければいけませんね。エネルギー量つまり熱量=電力×時間の関係を用いて考えなければなりません。右グラフの青い曲線は等エネルギー線図になります。品質工学の信号因子の横軸にエネルギー量を取りますが、この場合の水準は、電力と時間の掛け算の値で調整します。 理系の方の中にも、データが得られた際に、どんな場合にも直線近似される方が散見されます。できれば現象を数式で表すことを考えてみてください。
p.7 問題5と6についても、前述の問題4と同様に、単純に問題の数値の平均値を計算すると不正解になります。問題6のように、速度・距離および時間の方程式を立てて平均速度を算出しないと正解を導き出せません。問題4〜6については、「規則性、性質、原理」に注意して問題を解く必要があります。