あの世の話がでたので、お薦めの本を紹介します。近日(2018.2.24)ロードショー公開が予定されている映画「空海-KU-KAI-」の原作本です。「沙門空海唐の国にて鬼と宴す1巻~4巻」(著書:夢枕獏 発行:角川文庫)というタイトルで、文庫版なので、持ち運びも楽です。私も1週間以内で一気に読みました。途中漢詩が出てくるところはかなり飛ばしましたが。空海曰く、「真理は宇宙が全て」だそうです。 是非、映画を見る前に原作本を読むことをお薦めします。なぜなら、本を読むことで想像力を鍛えることができると考えるからです。
「のぼうの城」(著者:和田 竜 発行:小学館文庫)を読んだことはあるでしょうか? この原作の中には以下の記述があります。
----のぼう様 とは、「でくのぼう」の略である。それに申し訳程度に「様」を付けたに過ぎない。長親は図抜けて背が高い。脂肪がのっているため横幅もあり身体つきは大きいが、容貌魁偉であるとか、剛強であるとかいった印象を一切ひとに与えなかった。ただ大きい。 その大きな男がのそのそ歩く。その姿はまさに、でくのぼうが、歩き回っているかのごとくであった。長親はどちらかといえば醜男であった。鼻梁こそ高いが、唇は無駄に分厚く、目は眠ったように細い。その細い目は吃驚したように聞き、絶えず大真面目な顔でいる。表情は極端に乏しい。めったに笑うこともないが、対面した誰しもが、この男が絶えずへらへら笑っているかのような印象を受けた。 辞書を引くと、でくのぼうとは、あやつり人形。役に立たない人。気のきかない人。人のいいなりになっている人。体格は良いが役に立たない人と説明されています。 この文章からどんな人が想像できますか? 漫画は読んでいませんが、映画を見ると野村萬斎があまりに恰好良過ぎですね。映画はエンターテイメントなので、それなりに楽しめますが、「のぼう様」と言われる理由にはなかなか結びつきませんね。
この他に、映画化やテレビのドラマ化された原作が、「ロスジェネの逆襲」(倍返し)、「神様のカルテ」、「一路」、「あさがきた」、「下町ロケット」、「エヴェレスト神々の山嶺(いただき)」と幾つもありますが、原作の小説を読んだ際のイメージとおそらく違うと思います。場合によってはストーリーも変わってしまっているようです。
現代は、映像化された情報に溢れています。映像化された作品は、脚色した方のイメージであったり、エンターテイメント性を高めて強調している感があります。これらの情報は見ているだけで得られるので手っ取り早いかもしれませんが、あくまで受身です。 これを続けていくと、われわれの想像する力がどんどん減衰していくものと危惧しています。小さい頃、読み聞かせをされませんでしたか? 子供の想像力アップには効果があると思います。クリエイティブになりたかったら、時間を作ってもっと本を読みましょうね。
2月24日ロードショー公開の映画は、映画「空海-KU-KAI-」