現代社会において「プラスチック」はいろいろな製品で利用されています。 「高分子」という分類に入れることもあります。「高分子」は、分子量の大小関係で区別されるのですが、「分子量が大きい分子で、分子量が小さい分子から実質的または概念的に得られる単位の多数回の繰り返しで構成した構造」と定義されています。 低分子と高分子の境目は特に定義されていませんが、分子量1万以上を「高分子」と呼んでいるようです。
資料参照ください。 → 高分子とは?その1
高分子の話に入る前に、「一番分子量が小さい脂肪酸は何でしょうか?」 脂肪酸とは、C(炭素)、H(水素)と酸素(酸素)が結合した化合物です。 「答えはギ酸(HCOOH)」です。ギ酸は炭素が1つです。炭素が2つは、化学式がCH3COOHで酢酸です。 炭素が大きい酸ほど水に溶けなくなっていき、炭素数が9になると水に不溶になるそうです。 炭素18の「ステアリン酸」は、白い固形物でメタノールに湯煎の中で溶かして、冷やすと「ろうそく」のように白い固形物ができます。 これに火をつけると燃えます。ホウ酸を添加しておくと緑色の炎になります(以前のブログ参照「緑色の炎の滝が綺麗!!」。 このように分子量が大きくなると固形物になり、溶ける温度も高くなっていきます。溶かすためのエネルギーは当然高くなっていきますから。
「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」の違いを覚えておきましょう。 前者は「チョコレート」、後者は「目玉焼きあるいはクッキー」にたとえられます。加熱すると溶け、冷やすと固まる樹脂が「熱可塑性樹脂」、一旦固まると加熱しても溶けない樹脂が「熱硬化性樹脂」です。 p.3の樹脂を「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に分類してみましょう。答えは次ページにあります。
p.7にプラスチックの見分け方をまとめておきました。臭いの欄をご覧ください。燃やすと、PAつまりナイロンは「羊毛の臭い」、PETつまりペットボトルは「甘酸っぱい臭い」がするそうです。私はまだ試してみておりませんが、面白そうです。 燃やすときは、火事にならないようにしてくださいね。見分けるために、赤外分光器やNMRなどの最新分析機器を使わなくても、大雑把に見極めることができるのです。 開発技術者には、このような感性が必要である思います。
p.8は引張り強度の話です。 引張強度を比べるために長さに換算すると、あの強度がある「ピアノ線」が東京~新横浜に相当し、「高強度ポリエチレン繊維」は東京~名古屋に相当するそうです。高分子も強度があるものがあるのですね。