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順番で構造が変わる

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有機反応機構の続きです。今回は、「求核置換反応」です。

資料はこちら → 有機電子論その3

p.1 いよいよ求核反応です。先ずは「一分子求核置換反応 SN1」です。Xが脱離し炭素が+になります、求核試薬Yがこの炭素を攻撃してYとなります。実際のこの反応を行うと、鏡像の2つの化合物(ラセミ体)が混合した化合物が得られます。Xが脱離した時点で、sp混成からsp混成軌道の構造となり、P、QおよびRの置換基が同じ平面になり、この平面に垂直なp軌道に求核試薬Yが攻撃します。左右同じ均等に攻撃するため、ラセミ体になるわけです。

p.2 今度は「二分子求核置換反応 SN2」です。この場合は、求核試薬Yが炭素に攻撃した後にXが脱離します。ちょうど傘の開く向き青い円錐)が反応前後で左右逆転するように反応します。この場合、光学異性体はどちらか1種類しか生成しませんので、光活性物質となります。偏光を光学活性物質に照射すると出てきた光は振動方向が変化しています。この偏光の度合いを旋光度と呼びます。糖類は、代表的な光学活性物質ですね。 p.1の生成物は1:1のラセミ体なので光学不活性物質となり、SN1とSN2反応の生成物はここが大きく異なる点です。

脱離後、求核試薬が反応するか、求核試薬が攻撃後脱離するかにより生成物の構造が変化することが理解できたと思いますが、逆に生成物の光学活性を調べれば、反応機構を推測することができます。

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