「ビュフォンの針」ご存じですか? 先週、衝突回数と円周率は関係があるという話をしました。 今回は、「間隔dの平行線に長さℓの針を落として線に触れる確率は円周率πで表される」という話です。ここにも円周率が登場してくるのです。これも、どうして?と思いませんか?
資料をご覧ください → ビュフォンの針
間隔dの平行線に対して、図のように針が落ちています。針の中心と真中の線との距離をyとおくと、針と直線が交わる条件が下の不等号のようになります。yとθの変化する領域も不等号で左下ように書き表されます。 以上の3つの不等号を絵にしたものが右のグラフです。赤い長方形の中が、yとθの取り得る範囲です。つまり、針を落とした場合のyとθはこの赤枠内のどこかの座標になります。針が直線に触れる範囲がy=(ℓ/2)sinθの曲線より小さい水色の範囲です。(水色の面積)と(長方形の面積)の比が針が直線に触れる確率となります。計算結果2ℓ/πdがその確率です。πが入っているのです。 この確率の計算方法、どこかで見たことありませんか?「円の内か外か? 円周率を求める」で説明したモンテカルロ法と似ています。
それにしても、円周率はいろいろなところに顔を出す不思議な値です。