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騙されないように

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以前、「噓をつく数字、グラフ」で数字に騙されないように述べました。今回は「デタラメ」(著者:カール・T・バーグストローム、ジェヴィン・D・ウェスト 発行所:日本経済新聞社)を何回かにわたり紹介します。 インターネット等で氾濫する情報の中あるデタラメな情報が紹介されています。

資料はこちら → デタラメ

p.1 昨日のブログで賢いカラスが登場しましたが、カラスは騙すことにも長けています。他のカラスに見られているとエサの隠し場所をごまかすのです。隠したように見せかけ、別の場所に隠します。 のぞき窓があると、その向こうにカラスがいなくても視線を気にして、同様な行動をします。 人間はカラス以上に狡猾デタラメを言って騙します。 右図をご覧ください。コウノトリが赤ちゃんを運んでくるという言い伝えがあります。新生児の数の推移コウノトリが卵を温めているつがいの数の推移です。 コウノトリが赤ちゃんを運んでくるという言い伝えが正しいとするのはおかしいですね。たまたま同じように推移していることを並べて因果関係があるとする「デタラメ」は世の中にたくさんありますので、いろいろな観点から検証する必要があります。

p.2 グッドハートの法則をご存じですか? 数字目標だけを追い続けると、本来の目的から逸脱することをグッドハートの法則と呼びます。事例をご覧ください。 企業活動においても、売上目標達成ばかりに力を注ぎ過ぎると、不正の温床になったり、売上が逆に落ち込んでしまうことがあるので、注意が必要です。生産コストを下げたり売上を上げるために、必要な検査を省略して不正を摘発された企業もありましたね。

p.3 「数学もどき」と言われる事象です。 数式で説明されると、正しいように思い込んでしまいませんか? 「ヴァージニアメイソン病院の医療の質方程式」という式があります。医療品質を向上させるためには、適切性・成果・サービスを向上させ、ムダを減らせば良いことは感覚的に理解できますので、この式は合っているように思いますが、下の3つの式でも医療品質Qは向上する方向になります。 「信頼の方程式」の分母が小さく、分子が大きくなれば信頼が高くなることはイメージできます。 ただ、分子の3つの項目の単位はどうなっているのでしょうか? たし算ということであれば、同じ単位でなければなりません。 上述の二式は数学もどきで、あたかも成立しているとみなされますが、間違った式です。 正しいかどうかは、各項目の単位を検証して、左右の単位が同じになることを検証する必要があります。

p.4 データのサンプリングが偏っていないかを調べておく必要があります。 Googleで「夫に」とか「妻に」という言葉で検索すると、幾つか候補が出てきます。 これらは、Googleの中で検索件数が多いものをリストアップして表示されています。 Facebookで検索すると異なった文章が表現されるようです。Googleには悩みを吐き出しFacebookには暮らしを見せびらかすように使っていると上述の本に書かれていました。 この例のように、サンプリングする場合は、偏りがない条件を満たすようにするべきと書かれています。

デタラメであることを認知するためには、パターンを知った上で、いろいろな視点から検証して見極める必要があります。

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