「家は生態系 あなたは20万種の生き物と暮らしている」(著者:ロブ・ダン 発行所:白揚社)を紹介します。 タイトルを見ただけで、もぞもぞする感じがします。 興味深い話がたくさん書かれています。 図をご覧ください。本からの引用なので、不鮮明で申し訳ありません。上の一番大きい楕円がキッチンの表面菌の種類と数の分布、左上の縦長がドア枠、真中の横長の楕円が枕カバー、その右下がトイレの便座、一番下が国際宇宙ステーション(ISS)内の菌です。 宇宙ステーションは隔離されておりますので、地球上の常在菌が居らず、便座の菌が一部被っています。 地球上で清潔好みの人が外界と遮断するとISSと同じ状態になるはずです。 菌を無くしたISSと同様な状態が吉と出るかどうか? どう思われますか?
フィンランドとロシアに二分されたカレリア地方があります。フィンランド側のカレリア人はロシア側に比較してアレルギー疾患の有病率が高いそうです。ロシア側のカレリア人は、牛などの家畜に触れ、井戸水を飲み、家庭菜園の野菜を食べるなど生物多様性に富んだ生活をしています。フィンランド側カレリア人は、開発が進んだ都市生活で生物多様性が乏しい生活を送っており、これがアレルギー疾患が多い原因と考えられるようです。他種多様な植物にあるガンマプロテオバクテリアが免疫系の平和維持に貢献しているようです。
アメリカに移住したアマン派とフッター派は生活様式や遺伝子に違いは無いようですが、フッター派に喘息持ちが多いそうです。フッター派は工業型農業で、トラクターや殺虫剤をしています。アマン派は、馬を労役に使う昔ながらの農業を営んでいます。
上述の研究結果は、現代社会にアレルギー症の人が増えている原因として、クリーンな環境の生活様式になり生物多様性の生活ではなくなった可能性を示唆しています。 何となく、思い当たる気がしませんか? 余程暑くない限りは、エアコンを切って自然の風を室内に取り込んだり、自然に触れるようにすることで、アレルギー症は改善されるかもしれません。