「おとな数学塾」(著者:中島隆夫 発行所:ぱる出版)を紹介します。 「はじめ」を開くと、「負の数と負の数を掛けるとなぜ正の数になるの?」という話が書かれています。この疑問に関しては、いろいろな説明があると思いますが、この本では、速度及び時間で説明しています。絵も描かれているので理解し易いと思います。 資料をご覧ください。少しアレンジしてあります。
資料はこちら → 数学熟
p.1 本では、ネコが歩いているモデルを示していますが、歩く人で説明します。先ず、約束事として、東方向をプラス、西方向をマイナス、過去がマイナス、未来をプラスと定義付けします。 東方向に2m/秒で歩いている場合、3秒後は2m/秒×3秒=6mとなり、現在地より6m東にいます。3秒前は、2m/秒×-3秒=-6mなので、現在地より西に6mのところにいました。 西向きに歩いている場合は、速度が-2m/秒ですので、3秒後は-2m/秒×3秒=-6m、3秒前は-2m/秒×-3秒=6mとなりますね。マイナス掛けるマイナスはプラスになります。このように絵で描くとわかり易いですね。
p.2 この本では、「-(マイナス)」は180度回転させる数学的な操作であると述べています。複素平面で「i」を1回かけると90度回転、2回かけると「i2=-1」となるので、180度回転する操作というように教えた方が理解しやすいかもしれません。
p.3 2次方程式の解も絵に描いて説明しています。正方形の面積が2乗となりますので、左右両辺が2乗の形になるようにしています。解の公式を忘れた時に、便利です。
p.4 ピタゴラスの定理の証明法は、何百もあるそうです。証明1と2は、この本の中で図を用いてわかり易く証明しています。
p.5 証明3はいろいろな本に書かれている証明法です。 証明4は相似と接線の長さが等しいことを利用して証明しています。
p.6 ダヴィンチは左図のように証明しています。図形を移動するところは、美術的なセンスもお持ちのためかもしれません。 アインシュタインが子供のころ証明したものが右です。無駄がないシンプルな解き方です。
上述の本は、数時間で読めてしまう内容ですが、図で説明していることが特長です。私もこのように直観に訴える説明資料を参考に今後精進していきたいと思いました。