『本当はいらない医療 「患者」が作られるカラクリ』(著者:鳥集徹:とりだまり とおる 発行所:宝島社新書)を紹介します。不要な検査や過剰診療によって健康な人が「患者」に仕立て上げられている実態を告発した一冊で、基準値の引き下げや過度な早期発見・早期治療の推奨が、医療費膨張や不要な身体的負担を生み出す原因であると指摘しています。家族の薬の様子を見ていると、悪い箇所毎に薬が出ていて副作用は大丈夫なのだろうかとか、高年齢になると量が多過ぎるのではないかと心配になります。西洋の薬は積み上げ方式ですね。悪い箇所が多いと、それに応じて薬の種類が増えていきます。それに比べ漢方薬は、全体を見て処方されているので、副作用の心配は少ないように思います。以下要約の「データによる裏付け」内の「コレステロールの薬の副作用」を読むと不安になりますね。コレステロール症を治すための薬が糖尿病を誘引する可能性があるとは。とにかく、本書を肯定的な見方で読むか、慎重に吟味するかは、読者に委ねられます。
肯定的な見方
- 過剰医療への気づき: 「健康診断や予防医療が、実は製薬会社や医療機関の利益、医療費膨張のために過剰に行われているのではないか」という問題提起である
- データによる裏付け: インフルエンザワクチンを打って発症を抑えられるのは高齢者で30人に1人。大腸がん検診でメリット受けるのは1%。高血圧やコレステロールの薬のメリットは、100人に1人。コレステロールの薬(スタンチン)の副作用は、50人に1人が糖尿病、10人に1人が筋肉損傷 というようなデータに基づいている
- 主体的な選択への意識: 医師の言うことを盲信するのではなく、自分自身で検査や薬のメリット・リスクを天秤にかけるきっかけになる
慎重的な見方
- 極端な議論への懸念: すべてのワクチンや健診、降圧薬などを「不要」と切り捨てるかのような論調に対しては、「本当に必要な治療まで手遅れになるリスクがある」と危惧がある
- 自己判断の危険性: 本の内容を鵜呑みにして自己判断で服薬をやめたり、検診を拒否したりすることは危険であり、あくまで「信頼できる主治医と相談するための知識」として読む必要があります