「記憶するチューリップ、譲りあうヒマワリ」(著者:ゾーイ・シュランガー 発行所:早川書房)を紹介します。本のタイトルからでもわかるように、植物のコミュニケーションに関するトピックスが紹介されています。以前「目に見えないコミュニケーション」「植物のコミュニケーション法は?」で取り上げた内容も含まれていました。ジャーナリストが書いた本で、絵も写真もなく文字ばかりなので、読むのは苦労しましたが、種々のトピックスが紹介されており、興味深く読みました。以下に気になるトピックスを要約しました。植物の防衛能力や社会環境認識力は素晴らしい。
- 記憶するチューリップ: 本文の中では、チューリップ単独の説明はなく、ニンニクで説明されています。植物は芽を出すために「冬の記憶」が必要です。十分な長さの寒さが不可欠です。私も、来年のためにこの秋にニンニクを植えたいと思っていて、調べたところ、植える前に冷蔵庫に20日間入れておくと発芽し易いとあり、今冷蔵庫保存しています。サツマイモやジャガイモも、芽を出すための指標を持っていそうです。
- 植物は、音を出している:トウモロコシ、ブドウやサボテンは、超音波を発している。植物により周波数が異なるようです。トマトは水不足になると、35回/時の音を立て、何もない場合は静かだそうです。 トマトではなくサボテンですが、音を出している動画です→https://www.youtube.com/watch?v=xx5ZfQJ-mHc 研究の記事→ 埼玉大の研究
- ヒマワリは空間認識に優れ、兄弟に影を当てないように茎の角度を調節しています。地下では、栄養がある方向に根を伸ばしますが、別のヒマワリがあると、独り占めしないように根の長さを調節します。他の植物が近くにある場合は、抑制する化学物質を放出して、発芽しないようにするため、ヒマワリの周りには雑草が生え難いようです。
- イモムシがトウモロコシを食べると、イモムシが葉に残した唾液よりイモムシの種を特定し、捕食してくれるハチを誘引する化学物質のガスを放出する。一時間としないうちにハチが到着してイモムシに卵を生んで、内側からイモムシを食べてくれるそうです。