「smART10代からの世界を変えるアートの見方」(著者:エイミー・E・ハーマン 発行所:東京美術)に、絵を観て推理する方法が書かれています。こうすることで、その作品をなにげなく見るのではなく、見る楽しさが増すと述べられています。
資料をご覧ください → smArtその5
p.1 先ず左の絵をご覧ください。複雑に絡まっているようで、全貌が分かり難い絵ですね。作者は、右表のように5W1Hのような疑問を持って眺めることを勧めています。「だれだろう?」という質問に対しては、「女性らしい?」その根拠は「長い黒髪に髪飾り、目と口が小さい、花柄の長袖」としています。「名前?」は「一丈青」という表記がある。「一丈」は身長、「青」は刺青のことで、「水滸伝」に登場する梁山泊の女性頭領の「扈三娘(こさんじょう)」のあだ名だそうです。この他の質問に対しても、推理結果、根拠などを挙げて、総合的に考えて「扈三娘が敵の放つ矢をよけるように身体を捻じ曲げている場面である」としています。そしてさらに調べると、歌川国芳が、「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」という連作の浮世絵を描いている情報が得られます。
p.2 コミックや映画の「ワンダーウーマン」は、この「扈三娘」の影響を受けているとも推測しています。
Wikipedia → 解説
扈三娘 → Wikipediaの解説