「初学者のための品質工学」(編著:矢野耕也 発行所:コロナ社)を読み直していたら、参考になる良い事例が載っていたので、紹介します。
資料はこちら → 初学者の品質工学
p.1 「誤差因子が3つ、繰返し計測の場合の計算事例」です。通常は誤差因子をN1とN2の2つで直交表実験をすることが多いと思いますが、誤差因子3個の場合の計算式を次ページに載せておきます。4個以上の複数の誤差因子を用いる場合も同様な式で拡張できると思います。この事例は、図のような粉末の充填装置の事例です。プレートの厚みを信号因子として3条件について4回づつデータを取得したデータが右下表になります。誤差因子毎に3セットのデータ群になります。
p.2 「誤差因子が3つ、繰返し計測の場合」の計算式が右にあります。複数の誤差因子の場合、線形式が誤差因子の数と同じ数必要になります。SβやSN×βの式も線形式の数が増えます。線形式を計算する際に、左表をご覧ください。各信号因子に掛ける数値は平均値ではなく合計値であることに注意ください。 品質工学では全てデータを用います。平均値を用いるとと、ばらつきがキャンセルされてしまいます。品質工学を用いない場合であっても、平均値で処理しないことが重要であると思います。分散分析で平均値を使っていますが、平均値からのばらつきであったり偏差をみるために利用しているのです。
今回、以前読んだ本を読み返してみると、新たな「気づき」が得られました。皆さんも、昔読んだ本を読み返してみるとよいと思います。どんなジャンルの本であってもです。