「キーになる化学物質は?」で、解熱鎮痛薬を使う場合は胃薬を処方されることがある話をしました。この機序について、資料にまとめました
資料はこちら → 薬の効き方その3
p.1 プロスタグランジンを生成しないようにCOXを阻害する薬が解熱鎮痛薬ですが、COXは胃粘膜に存在するため、阻害すると、胃の粘膜を保護することができなくなるので、胃腸薬も併せて飲む必要性が生じます。
p.2 そこで、分子の大きさを利用して、CO-1には入れないがCO-2には入ることができる「セレコキシブ」という薬が設計されました。CO-2の窪みがCO-1より大きいことを利用しています。
p.3 「ロキソプロフェン」は、胃を通過する際は阻害する力が弱いのですが、肝臓に到達すると肝臓内の酵素により活性化してCOXを阻害できるように設計されています。 解熱鎮痛剤のアスピリンは、解熱剤の効用よりも、最近は血栓予防剤として用いられるようになってきているようです。この他「アセトアミノフェン」は、子供に対して安全で使いやすい解熱鎮痛薬ですが、まだ詳細な機序は解明されていないようです。