「土と脂」(著者:デイビッド・モンゴエリー等 発行所:築地書館)を読んでいます。最近、農作業に面白みを感じ始めているのですが、この本を読んでさらに土壌は大事であることがわかりました。現代は、牛肉、卵、トウモロコシ、トマト、ナス、イチゴ、米、小麦などなど大量生産化されていますね。化学肥料と農薬を用いて、虫がつかないで早く・大きく・多く収穫するようになっています。化学肥料を用いることにより窒素・リン酸・カリは十分供給されていますが、銅・鉄・マグネシウム・マンガン・セレン・亜鉛の含有量が著しく低いようです。野菜を食べても、これ等の成分がなかなか摂取できなくなってきています。また地中の微生物が減少してしまうため、アミノ酸が生成されず、植物中のタンパク質も不足しがちのようです。必須アミノ酸や抗酸化物質も不足しているのでしょう。この植物を飼料にしている家畜にも影響してきます。もともと植物は虫に喰われない成分を分泌していたのに最近の野菜は少ないため、虫が寄り付き、農薬が必要となる悪循環サイクルになっているようです。最近アレルギー疾患が多くなってきているのは、野菜や肉にあるべき免疫に役立つ成分が不足してきているのではないかと思います。悪循環を回避するためには、土中の微生物を豊富にして、ミネラルやアミノ酸を野菜や飼料用植物が吸収できるようにする必要があります。微生物と言っても、腐食菌が多くなると病気が発生したり虫が寄り付いてしまいます。発酵食品が人間の腸内環境を良くするのと同様、土壌の発酵状態を保つことが野菜の生育に有効なようです。上述の本のサブタイトルが「微生物が回すフードシステム」でした。「お薦めの本リスト」で紹介した木村さんのりんご作りのように、土壌を改善しないと、人間の健康を蝕んでいく気がしています。