「空気圧の本」(著者:香川利春 発行書:日刊工業新聞社)を読んでいたら、研修でも用いている減圧弁が出てきたので、動作の機構を復習することにしました。また、減圧弁を用いて圧力調整する際に気をつけることを図を用いて考えてみました。
資料はこちら → 減圧弁
p.1 上述の本には動作機構が載っていませんでしたので、調べて資料にまとめます。左図が減圧弁の断面図です。調整ネジを回してねじ込む際にダイヤフラムにかかる力をF2、一次側からかかる力をF1とします。調整ネジをねじ込んでいない場合は、ダイヤフラムを押していないので、ステムでシートの穴を塞ぎ、一次圧P1のエアーは流れず止まっています。調整ネジを押し込んでいくと、ダイヤフラミ・コネクタ及びステムが下方に移動しシートの穴が開放されますので、一次エアーが流れ込みます。すると二次圧P2が増加するためダイヤフラム及びステムを上方に押し上げ始めます。ステムと穴のクリアランスが狭められますので、一次エアー流入量が減少し、P2が減少します。するとF2<F1となりステムが下に下り、F1=F2で安定状態となります。
p.2 減圧弁の圧力を高い値から低い値に設定変更する際、圧力を落とす際に、残圧が残っているため、青の曲線のようなヒステリスが生じます。目的の圧力に下げるまで調整ネジを余分に押し上げることになります。しばらくすると目的のP2_1より低目になってしまいますので、ゆっくり赤矢印のように調整ネジを押し込んで設定したいP2_1に調整し直します。研修でも、この辺について注意を喚起しています。
今回、釣り合いの式と図を合わせてみたので、減圧弁の原理を理解することができました。なんとなくわかっているつもりでも、式で表してみることが重要です。