「そもそも品質工学」の動画を見ていたら、「機能性」を考える話があります。この動画では、「水道蛇口の機能は?」という話が出てきます。そして、「疑似動特性」という私には初耳の語句が登場してきました。今まで、あまり気にしていなかったので、機能性については、もう少し考えないといけないと認識が新たになりました。以下、機能性についてまとめてみました。
資料はこちら → 機能性事例
p.1 水道蛇口の機能として、➀時間と②栓の開口度が考えられます。時間あるいは栓の開口度を横軸にすると縦軸は水量となり、何れも線形のグラフになります。時間に関するばらつきは、時間依存性がほぼ一定であるのに対し、開口度が大きくなるとばらつきは一般的に大きくなります。➀の場合、「疑似動特性」と呼ぶそうです。➀の場合は、時間に比例して水量が増加する動特性に見えますが、栓の開口度は1点に固定ですので、静特性をみているだけなのです。栓の開口度を変えた場合の挙動は見ていないのです。したがって、水道栓を設計する場合は、②の開口度をインプットとして種々のパラメータの影響度をみた方が得られる情報は多くなります。 このように機能性を動特性で考えることは、大事です。 右表の空欄を埋めてみてください。なかなか難しいです。
p.2 私なりに埋めてみましたが、しっくりいかない部分もあります。機能性の分類分けも、これで良いかは不明です。例えば、切削・研磨というシステムにおいては、切削機や研磨機に入れるエネルギー量により、切削量が線形に変化するとも言えますし、加工寸法が指示寸法に比例するとも言えます。後者は、「転写性」と呼ばれています。化学反応の場合も、悩ましいですね。反応生成物量がアウトプットですが、インプットは、何でしょうか? 反応は、分子同士が衝突して起きるわけですから、衝突頻度とすべきか? 濃度がうすく温度が低い場合に衝突頻度が低くなると考えられます。 横軸を濃度、温度あるいは衝突頻度もしくは別の因子? 皆さんも考えてみてください。 機能性を考えることは本質をみることになりますので、時間をかけてみてください。
そもそも品質工学45話→ https://www.youtube.com/watch?v=sNMeH58sJi0