「東大算数」(著者:西岡壱誠 発行所:東洋経済新聞社)から、気になった問題を紹介します。
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p.1 「メキシコは、全般に自給率が低いが、特定の農作物に関しては100%を大きく上回っている。このような状況にある背景を答えなさい」という問題です。ヒントは、表下の式です。
p.2 自給自足率が100%を超えるためには、分母が分子より小さくなる必要があることに着目すると輸出量が大きいことが推測されます。つまり米国向けの輸出量が多いことを示唆しています。
p.3 「1〜6の国では、1963年(◯)から2013年(●)にかけて経済が成長しているにもかかわらず、動物性食品の消費割合はあまり増えていないか減少している。それはなぜか?」という問題です。アルゼンチンが7番目というのがヒントだそうです。
p.4 1〜6はもともとGDPが高く裕福だったため肉消費量は多かったが、最近は高齢化、健康食ブームが進み消費量が減少している。アルゼンチンは、肉消費量は多いが、高齢化はまだ進んでいない。破線の国々は、GDP増加と共に肉消費量が増えている。以上のことより、「動物性食品の消費量の割合」=「経済成長率」−「高齢化」という式が成り立ちます。
以上のように、物事を考えるには式を立てることが必要と著者は述べています。同感ですね。私の担当する研修でも、「キャップとコネクタの嵌合力」∝「エアー圧力」+「衝撃力」−「弾性力」という式を立てて検証していきます。このやり方を「立式思考」と呼ぶそうです。もし合わなければ、合うように式を修正すればよいのです。