「先ずリストアップから」で「現状問題構造ツリー」を取り上げましたが、今回は「未来問題構造ツリー」です。「現状問題構造ツリー」でコアの原因を突きとめて、改善案を立案しますが、その策を実行した場合の問題を予測して対策を講じる際に「未来問題構造ツリー」を用います。
資料はこちら → 未来問題構造ツリー
「ザ・ゴール2」を読んで、「未来問題構造ツリー」を作成してみました。先日の「現状問題構造ツリー」は、一部図が掲載されていたのですが、今回は文章しかありませんので、矢印でリンクさせるのが大変でした。この図を作成することで、頭の中が整理できました。右下から左上の目標に向かって進みます。ポイントは、市場あるいはクライアントの観点でみるか、サプライヤーの観点でみるかにより進べき道が変わります。サプライヤーの観点は、製品のアップデートの方向に行きやすいため、お金や時間を要します。さらにマージンを載せた価格となり、価格競争に対処できなくなります。投資効果が期待できないかもしれません。また、「お金や時間がない」という「ネガティブブランチ」を解消する手立てを考慮しなければならなくなります。市場の観点で製品を手に入れることのメリットは、➀上述のようなポジティブなことを増やす以外に②ネガティブなことを減らすことがあります。ネガティブなことを減らすとは、例えば、修理回数が少ない、キャッシュバックするなどです。顧客は、取引条件(製品に伴うサービス、支払い条件、保証等)におけるネガティブなことを減らして欲しいと思っています。 そこで、ツリーは左側の下から上に向かって進んでいきます。つまり、製品仕様をアップデートするのではなく、取引条件等のサービスを包含するものを「製品」として、他者と差別化を図る策を考え出すことになります。「未来問題構造ツリー」は「現状問題構造ツリー」と共に論理的な思考プロセスとして有効なツールであると思います。複数人で議論しながら作成すると効率的です。