「神社建築のスゴイひみつ図鑑」(著者:最勝寺靖彦 発行所:ワニブックス)で、稲荷神社の話が面白いので、まとめてみました。
資料はこちら → うんちくその2
p.1 「五行説」を見たり、聞いたことがあると思います。先ず、基礎知識です。木・火・土・金・水を五角形の頂点に置きます。色も5色あります。円上の矢印は、相生(そうせい)と言って、矢印基の行が矢印先の行を生み出すあるいは助けます。陽(プラス)に働きます。世の中、プラスだけだと世の中万物だけで溢れてしまうので、陰(マイナス)にしてバランスをとります。ピンクの直線が相克(そうこく)と言って、矢印基の行が矢印先の行を弱めます。例えば、「木」は燃えて「火」が生まれますので「木生火」と書きます。一方、「木」は根を張り「土」を崩すので「木克土」と呼びます。
p.2 稲荷山は「土」で、そこに生息している狐は黄色です。鳥居、旗、前垂れ、尻尾の炎は、狐を応援する「赤」で作られています。黄色の油揚げ、いなり寿司や赤飯は、狐を応援するために供えられています。白い狐が稲穂をくわえていたり、いなり寿司の中の白いご飯は、「土生金」を表しています。つまり、黄色の狐から白い狐、黄色の籾から白い米が生まれる → 五穀豊穣に繋がります。
p.3 伏見の「馬乗り狐」は、赤(火)の方角である午に乗った白狐は金を生み出すという縁起物の土産物になっています。「跳ね返す構造」で、方角に干支を割り当てていましたが、東西南北には、色が割り当てられています。南は「午」で色は赤です。赤は黄色を応援する色なので、赤の午に黄色の狐が乗りますが、黄色の狐が白狐になっていますので、これにより「白生金」につながり、金運をもたらすことになります。脱線しますが「子午線」は、北の子と南の午を結ぶ線です。
先人たちは、いろいろな事項を結びつけて、繁栄を念じていたのですね。次に、稲荷神社にいく際は、このようなうんちくを思い出しながら、お参りしてきたいと思います。