「自然人類学者の目で見ると」(著者:長谷川眞理子 発行所:青土社)を紹介します。多岐な事項にわたり、持論を唱えておられます。同年代のようなので、同感するところは多いです。進化論の間違った解釈について説明されています。「進化は必ずしも進歩を生み出さない」が正しいのです。見ることが必要でなくなれば、眼が不要になることが進化となります。人間もAIに依存して考えることをしなくなったら、脳が萎縮していくかもしれませんね。私のブログのタイトルも「進化するガラクタ」ですので、必ずしも進歩しているとは言えないといことになりますね。この言葉を噛み締めています。
「役に立つとはどういうことか」の章で、数十年前に即戦力を求めて、何の役に立つかわからないことを教える大学の教養部はやめることにしたようです。最近は、本当に役立つ人材を育てるには、「教養のある人材を育てなければならない」にシフトしてきているようです。いい傾向です。 先日、人材育成のことで上層部の方と話している中で、直ぐにでも配属して適性を見極める風潮があると聞きました。これは欧米型のやり方を模倣していると感じました。極論を言うと、実力のある人をお金で買ってくればよいという考えだと思います。これから労働者人口が減少していく日本では、技能・技術を伝承して大事に人を育てていく日本の人財育成の形の戻すべきだというのが私の持論です。欧米の真似が必ずしもよいとは限らないのです。もちろん、教えてくれるのを待つだけでなく自己研鑽は大事ですが。
人材は人財とすべき。財は、宝の意味もあります。人材とすると材料をお金で買ってくるイメージが私の中にはあります。