疲労の話の続きです。疲労感があるときにエナジードリンクを飲むと疲れがとれた気がします。エナジードリンクに含まれる抗酸化成分が過剰な酸素ラジカルを中和することで酸化ストレスを抑制する効果があるようです。疲労感の元になる炎症性サイトカインは肝臓、心臓、脳、筋肉で産生し、抗酸化成分で肝臓内の炎症性サイトカインの産生は低下します。これにより脳は「疲れていない」と判断し、体を休ませるシグナルを出さなくなります。他の部位では、過剰なeIF2αリン酸化が生じて、組織の障害や最悪の場合突然死を招く可能性があります。「いろいろなスイッチ」でエナジードリンク依存症の話をしましたが、エナジードリンクが効果があるからといって、依存するのは止めましょう。エナジードリンクを飲むことを「元気の前借り」と呼ぶ方もおられるそうです。 好きなことをしていると疲労感がマスクされてしまいますので、気をつけてくださいね。
「疲労に効く」とされる食品は「疲労感の減少効果」を有しているものです。例えば、抗酸化作用を有するニンニク、ウナギ、焼肉やエナジードリンクなどです。疲労そのものを減少するにはリン酸化eIF2α脱リン酸化酵素を産生すればよく、疲労した時に脱リン酸化の働きをします。疲労した場合は、軽い運動すると疲労回復力が増大するようです。激しい運動の後の整理体操も、このために行っているのかもしれません。精神的な疲労の場合も、軽い運動すれば効果がありそうです。ガンマ・オリザノール、ケルセチン、アンセリン、ベータ・アラニンやビタミンＢ１などが疲労に効果がある栄養素のようです。