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直ぐ近くにあっても気が付かない

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思考の穴」(著者:アン・ウーキョン 発行所:ダイヤモンド社)からの引用です。先ず、以下の文章をお読みください。

とある小さな国が、堅固な要塞から命令を下す独裁者の支配下になった。要塞からはたくさんのが、車輪のスポークのように放射状に伸びている。一人の優秀な将軍が立ち上がり、要塞を攻め落として独裁者からこの国を開放すると宣言した。…中略… 将軍の放ったスパイから、要塞につながるすべての道路に地雷が設置されている報告を受けた。とはいえ、少人数であれば安全に通れるように設置されているという。隊列を組んで進軍すれば、地雷に当たる。そこで、将軍はシンプルな計画を立てた。兵を幾つもの小隊に分割し、一斉にそれぞれの道に送り込み、まったく同じタイミングで要塞に到着した。

上述の文章は「目的を達成するためには大きな力が必要となるが、そういう力の直接的な使用が妨げられる場合は、たくさんの小さな力さまざまな方向から使って達成できることもある」という抽象的な概念具体的な事例で示し、説得力がありますね。話は変わりますが、ウクライナやガザの戦争もなんとか終わりにできないのでしょうか。

続いて、次の文章をお読みください。

あなたは医師です。あなたの患者の胃には悪性の腫瘍があり、手術することはできないが、腫瘍を死滅させなければ患者は死ぬ。唯一の望みは特殊なX線治療です。一度に腫瘍全体にX線を高照射すれば、腫瘍は死滅する。ただし、腫瘍に到達するまでにX線が触れた健康な組織も死滅してしまう。X線の強度を下げれば、腫瘍に効果がない。健康な組織を守りつつ、腫瘍を破壊するには、どのようなやり方をとればよいか?

上述の問題は、難問ですね。どちらも危険な場合、どちらを採用するかという論理問題のようにもみえます。この問題の解答のヒントは、最初の文書(将軍の話にあるのです。「腫瘍に向かって複数の方向からX線を照射すればよい」が正解です。ヒントがあれば、思いつきますが、無いと直ぐ近くにあっても結び付き難いのです。 新たな手段を教わっても、応用するとなると使えないということなります。研修の講師としては、悩ましい問題です。 繰り返し、認識させるしか方法はないのでしょうか?

以前のブログ「状況により選択が変わる」の論理的思考もご覧ください

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