分析バリデーションその3です。本日で、一通りの検証ができます。
資料はこちら → 分析バリデーションその3
p.1 赤枠の部分について説明します。
p.2 今回は、液体クロマトグラフィーを用いて、成分Aの定量を行います。成分Aを除いた溶液をプラセボ溶液とします。「特異性」は、分析対象物(成分A)を確認でき、妨害ピークと重ならないことを検証します。検体A:水、検体B:水+内標準物質、検体C:プラセボ、検体D:当該物質及び検体E:100%濃度液+内標準物質の5つの検体を調製して、各々1回ずつクロマトグラムを描きます。表の下のようなクロマトグラムになれば、適合とします。
p.3 試験装置、今回は液体クロマトグラフィーの「システム適合性」を検証します。分離度を算出し、2.0以上であることを室内再現精度実験の際に確認します。また再現性実験において相対標準偏差がいずれも1.0%以内であることを確認して「適合」判定します。
p.4 既に実施した直線性、真度及び併行精度が評価水準を満足している範囲を検証します。今回は、表示量80%~120%であることを確認しています。
p.5 3ロット3検体の資料について、変更前と変更後の分析法を用いて濃度を定量します。定量結果を二元配置分散分析を用いて有意差検定を行います。今回の場合は、有意差があるとは認められませんでした。同等性を検証するのであれば、有意差検定ではなく「非劣性試験」を用いた方がよいと最近では思っています。「非劣性試験」はこちらで、→「さあ、どうしますか?」
以上3日にわたって説明してきましたが、分析法を替えるにあたり、種々の項目を検証する必要があります。決められた手順で結果を得るだけでなく、検証内容を理解しておいた方が、良いと思います。 本日使用したExcelファイルは→ 分析バリデーションその3