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1昨日のNHKの「超進化論」をご覧になりましたか? まだの方はNHKプラスあるいはダイジェスト版のYouTubeをご覧ください。例によって、記憶に留めるために資料をまとめてみました。他のWebサイトも参考にしています。

NHKの動画はこちら → https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2023010814734

YouTubeはこちら → https://www.youtube.com/watch?v=y0klW7za4KI

まとめた資料はこちら → 超進化論(微生物)

p.1 人間にとって役立つ菌について表にしてみました。ニキビの原因であるアクネ菌病原菌から肌を守る役割を持っているそうです。この表には書いてありませんが、最近の研究ではピロリ菌アレルギーや喘息防止の効能があるそうです。抗生物質によって安易に菌を殺菌してしまうデメリットもあるようです。役立つ菌を上手く活用していくべきです。

p.2 クロストリジウム・ノビィという菌は、土中にいる嫌気性菌ですが、脂肪分解酵素を産生するため、癌細胞を破壊する研究が進められています。酸素が豊富な血液中では、殻の中に菌がこもっていて酸素が少ない癌細胞に着くと殻を破り増殖します。脂肪分解酵素を産生して癌細胞を破壊します。左下が適用してがん細胞が消失しています。

p.3 微生物が環境に及ぼしている事例です。イギリスのドーバー海峡に面した白い断崖は微生物の化石ですし、アメリカのイエローストーンの間欠泉の鮮やかな色は温度の違いによって種類の異なる微生物が増殖して形成されたもののようです。これ以外、光合成の50%は植物ではなく光合成細菌が担っているそうです。空気中の窒素を植物の栄養にする菌も存在します。豆科の植物の根粒菌はこれですね。

p.4 トキソプラズマは動物の脳を操作するという怖い話があります。トキソプラズマに感染したネズミはネコを怖がらなくなるそうです。トキソプラズマはネコ科の体内で増殖しやすいため、ネズミがネコに食べられることで自らを増殖する戦略を持っているようです。トキソプラズマに感染した人の交通事故が2.65倍も高いという研究結果がありますので、トキソプラズマは脳を操作してリスクを過小評価して大胆にさせるようです。そこで下記のような研究論文も投稿されています。

トキソプラズマ感染症と起業家について→  https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2018.0822

p.5 ボルバキアという菌も自らの種を継体するために、例えばキタキチョウのメスの体内に入り受け継がれていくようです。

p.6 マルカメムシ微生物との間の共生の話です。マルカメムシは卵を産む際に、微生物カプセルも産みます。卵からかえった幼虫が微生物カプセルを食べることにより、共生が開始します。マルカメムシから微生物に住処栄養が提供され、微生物はマルカメムシにアミノ酸を提供します。このアミノ酸により硬いタンパク質の殻を作ることことができるわけです。 微生物がいない個体は、弱くなり死んでしまいます。

YouTubeの動画が詳しく説明しています → https://www.youtube.com/watch?v=_wLD87Gt-Vk

p.7 太古の海中にいたアーキアは酸素が豊富になってきたのに取り込むことができないため、触手を伸ばして好気性細菌を取り込み一つの真核細胞を形成します。この好気性細菌がミトコンドリアになります。動物の細胞内では、細胞とミトコンドリアが右上図のように共生関係を維持しています。このミトコンドリアもメスを介して継体していきます。上述のボルバキアの戦略と似ています

以上のように、微生物によって我々はコントロールされているのかもしれません。

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