「PET分解微生物」で取り上げたように、微生物は上手に利用できれば、役に立ちます。
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p.1 「微生物」とは、肉眼で見ることができない小さな生物の総称です。今流行のコロナウィルス、菌あるいは原生動物がいます。菌は、細菌と真菌に大別されます。
p.2 菌の死滅は、加熱温度と加熱時間の積で決まります。一般に122℃以上あるとほとんどの菌が死滅します。昔は、オーバーキルの領域とされていました。ブドウ球菌、サルモネラ菌あるいは大腸菌のような病原菌は、カビと同様に意外と熱に弱いですね。納豆菌のように芽胞を作る菌は100℃以上かけないと死滅しません。
p.3 現時点では、122℃でも増殖する菌が発見されています。右上の菌です。石油を食べて蓄積する「石油菌」は、何か利用できますか? ヘマトコッカス[NIES-144]は、抗酸化物質であるアスタキサンチンを体内に蓄積します。菌のように見えますが、藻のスピルリナは健康食品やアイスキャンディー「ガリガリ君」の青色に利用されています。
p.4 体内に磁石を保有する磁性細菌、塩化銀を食べて金を便として排出する菌、超好熱性メタン菌は「二酸化炭素→メタンガス」に変換するだけでなく「窒素→アンモニア」にも変換する能力があるようです。日本では、脱炭素でアンモニア発電を検討していますので、利用できるかもしれませんし、アンモニアからさらにアミノ酸やタンパク質に変換できれば、食糧不足にも役立つ技術になりそうです。
p.5 金属廃棄物より微生物を用いて、銅を回収する「バイオリーチング」という技術も、少ないエネルギーで可能になる再生技術です。
害をもたらす微生物も、上手に用いれば、電力を用いずに再生できる有用な手段になり得ます。人間よりも先に産まれた微生物の底力は計り知れません。
本日の相田みつを語録は、「自信はなくて うぬぼればかり ああはずかしい はずかしい」